2009年12月17日木曜日

笑うBlake


我が子の写真をやたらと年賀状にしたがる人と同じだな。
あまりに可愛い顔が撮れちゃったので連続up。
Blakeの食欲は徐々に戻り始めたようです。

2009年12月15日火曜日

泣くBlake



最初の写真7.5kgから8.0kgにまで大きくなったBlake近影
「鳴く」でなく「泣く」Blake。
Blakeは僕が出かける時、近所にはばかられるほどの声で泣く。
最初は低い声ですすり泣き、やがて切なげな声で泣く。
そして10mくらい離れると母親が視界から消えた時の幼児のような不安げな声で火がついたように泣く。
その内、近所に僕が折檻でもしているのではないかと間違われるような「キャンキャン」と高い声にかわる。
「鳴いている」とか「吠えている」のとは明らかに違う悲しげな声で僕が思わず足を止めてしまうような泣き方だ。
これまでは僕の姿が視界から消えるまでで済んでいたのだがこの頃は僕がその声を聞いて引き返してくることを期待しているかのようにいつまでも泣いている。
近所に住む妹夫婦が心配してやってくるほどだが、Blakeは彼ら夫婦にもなついているので彼らの去り際には同じような事態が起きる。
玄関の中に入れておこうとすると渾身の力で外に出ようとするので外出には時間がかかる。
しかも彼は紐が邪魔で戸が完全に閉まらないように中途半端にしか家の中に入らない。結構往生するのだ。
で僕は長い時間、家を空ける時はこっそり勝手口から家を出るわけだが、この場合だけは観念して諦めてくれる。
だが、近所に出る時は必ず自転車が必要なのでこればかりは玄関から引き出さないわけには行かず、相当言い聞かせてから自転車に乗る。
だが、家の角を曲がった瞬間にもう泣き出してしまう。
今では泣いている時間をなるべく短くしようと、行く先がどこであれ、すぐに家の角を曲がる方法を取っているのだが、どうも打つ手がない。
彼が大人になるのを待つしかなさそうだ。その頃にはフィラリアの虫も身体から消えてくれるだろうし。

ご近所の皆様、そんな訳で僕、犬を虐待しておりません。
犬の手玉に取られているだけですので、声のやかましさだけ、ちょっとご勘弁くださいまし。

2009年12月14日月曜日

Blake罹患

Blakeはフィラリアにかかっているらしい。
ご存じの通り、蚊が媒介する病気で、不衛生なところに住んでいたり、散歩中、草の中に入り込んだりした時に感染することが多いと聞いた。
この夏に罹ったのはまだこの季節には検査結果に表れないのだそうで、見つかるのは来春らしい。
つまり、Blakeは多分、この夏までに既に罹っていたことになる。年齢が判らないので去年の夏、ということもあるかも。
条件はピタリと合ってしまう環境にいたので、心配はしていたんだけど、現実のモノとなってしまった。

フィラリアは心臓に虫が生息し始めて、その内、犬の身体を蝕んで行く。
薬を使って親虫を殺そうとすると死んだ虫が血栓となって人間で言えば心筋梗塞のような症状を引き起こし、犬を死に至らしめる。
罹っちゃったら諦めて、弱~い薬で末梢血管辺りにいる子虫を殺して増やさないようにして、気長に親虫が死ぬのを待つしかないのだそうだ。
親虫の寿命は3年から5年。
なのでBlakeは5年間、薬を服み続けなきゃならない。
ちなみにフィラリアには地域性があるらしく、東京などは皆無に近いが、この辺りはやたら多い地域なんだそうだ。
事実、この辺の犬で、生まれた時から育てたのではない貰い犬や拾い犬は大半がフィラリアに罹っているそうだ。

一昨日から薬を服ませ始めたのだが、可哀想にBlakeは全然食欲が無くなってしまい、バターロールパンとご褒美用ささみジャーキー、それも「紗」(さや。高級品だけのことはあって旨いらしい)以外、食べなくなっている。
今夜は元気なく、自分の小屋に寝ていて、弱々しい声で鳴いている。
明日の犬の訓練を休みにさせて貰おうとずーっと連絡を取り続けているのだが、我がインストラクターさん、全然携帯がつながらない。
無駄足を踏んだ場合、料金はいただきます、なんだけど、連絡取れないんじゃあ、どうしたらいいんだか。

ところでBlakeは「伏せ」まで完全マスター。
「お座り」から「伏せ」に移るのが面倒臭いらしく、4度くらい「伏せ」をするとそのまま、「伏せ」の態勢で「褒美を出せ」と鳴く。
腹を上に出して、寝転んだ姿勢でささみジャーキーを喰う。甘えは既に頂点に達している。

賢いんだか、ズルいんだか…。

2009年12月7日月曜日

一家に一本


一家に一本 「ラー油ごまダレ」
一家に一枚 「Blake Lewis」!
ちなみにわが家のBlake Ⅱ(本家Blakeと今日だけは便宜上区別。ブレイク・セカンドと読んでやって下さい)ですが、先週の月曜から一週一度のペースでインストラクターに来て貰っています。
僕はBlake Ⅱを「おバカ」だと思っていたのですが、実はとても「お利口」だそうな。
そういえばインストラクターには一度しか会っていなかったのに今日、彼女が来た時、全く吠えず、歓迎の声を上げて、尻尾を振って出迎えたそうです。
たしかにチャイムが鳴るまで、僕は彼の鳴き声からして知り合いがやって来たのかと思ったのでした。
さてさて、僕は命令が嫌いなので「お座り」「待て」「伏せ」なども教えていなかったのですが、「お座り」はおやつが欲しくて自分からし始めました。
「待て」は誰かが教え込んじゃったようなのですが、「伏せ」は本日初体験。
ところがわずか一度のレッスンですぐにやってしまい、インストラクターを驚かせました。
「神経質だけど凄く利口。こんな躾けやすい子、そんなにいないかも」
だそうで、嘘でもイイや、たとえ社交辞令でも。
飼い主思わず頬がゆるんで自慢気に鼻をひくつかせた。
「親バカ」でなく、こういうのは何て言うの?
「飼いバカ」?「主バカ」?
何バカでもイイや。ウチの子最高!
ホラね。こうして「わが家のペット自慢」は嫌われる。

2009年11月28日土曜日

11月のセレクト

今月はWILLさんのお便りをここに転載させていただきます。
昔なら飛びついてでも朗読させて貰う種類のお便りなんですが、今はこれを読みこなすテクが衰えております。
お便りはWILLさんの送ってくれたモノを僕の読み方で改行したり、区切ったりしていますので「原文のまま」ではなくなっています。ご承知下さい。

かぜさん今晩は! 寒くなってきました。
かぜさんとブレイク君とのひととき。読ませていただいては、いろいろ想像して愉しませてもらっております。
犬は、飼い主の横で、その心情を時折絶妙にくみ取ってくれます。我関せずの振る舞いが憎らしかったりもしますが。
とにかくそんな感性を、神様は彼らにお授けになったのかな。
自分にも昔親友以上の存在だったタロウがいました。 今回は、そのタロウも知っている親友の話です。


ハルオ、覚えてるかい。
五月の日曜。お前と行った有楽町のニッポン放送。
建物の割りには、妙にこじんまりとした入口。ここで待っていたら、誰かDJに会えるかもしれないと、半日ねばったよな。
結局誰にも会えぬまま、ガード下の立ち食いそばで、天ぷらうどんを食べて帰ってきただけだった。

ハルオ、覚えてるかい。
市川駅西口のレコード店。お前が買った、中村雅俊の「いつか街で会ったなら」。
俺が買った、風の「あの唄はもう唄わないのですか」。
12月。駅前では甘栗の香りがしていた。お前はダッフルコートを着ていた。

ハルオ、覚えてるかい。
かぐや姫todayの武道館の追加公演。三階席最上段の席だったよね。
帰りに吉野家の牛丼をお前におごってもらった。「並」だったよね。
あの年はコンサートに一緒に出かけた。夏には、こうせつのつま恋。秋には神田共立のかぐや姫のフィル厶コンサート。冬には渋谷公会堂での来年もよろしくコンサート。

ハルオ、覚えてるかい。
俺が北海道へと旅立つ日。神田の古本屋街で、倉本聰唯一の小説本「あなただけ今晩は」を探すのを、午前中から3時過ぎまでずっとつきあってくれたよな。
上野駅のホー厶で、「はつかり5号」に乗り込もうとした俺に、お前が手渡してくれた段ボールでこさえた小さな箱。
「何?」と俺が尋ねると「いいから持ってけよ」と箱を押し付けたお前。
「どうもな」「ああ」
あの時、あの瞬間、俺の中では確かに聴こえ始めてた。
風の「地平線の見える街」。
お前にも聴こえてなかったか。 走り始めた汽車の中で、その箱を開くと、手作りのデジタルの目覚ましが出てきた。
きっと月刊ラジオ技術なんかを見ながら、お前が必死にこさえてくれたんだな。
お前の下手な字で記しされた説明書を読んでいると涙が止まらなくなった。

ハルオ、覚えてるかい。
お前と最後に会ったのは、市川駅東口の食堂街。
俺が北海道にもどってから二度目のGWの頃。
ショートホープをチェーンスモーキングしていた俺に、お前は、「吸い過ぎだぞ」って忠告してくれたよな。
忠告を聞き入れなかったバチは、15年前に当たった。
あれから、会えなくなってもう30年近く経とうとしている。
ずっと分からないままだった会えない理由も、去年やっと知ることができた。

今年はね、ハルオ。旅行運というものがあるのなら、間違いなくソレに俺は恵まれた年だったよ。
かぜ耕士。倉本聰というあの頃からの神様二人に、自分が中高生ならぬ中高年になって初めて会えたんだ。声をかけることができたんだ。声をかけて頂いたんだ。
いつかそんな日が来たらと、35年ずっと思い続けてきた人たちから。
本当に忘れられない年になったよ。

ハルオ。そうして想い続けてゆけば、あと5年同じように想い続けてゆけば、お前にも会わせてもらえるのかな。

ハルオ。来月市川に行くよ。今年の旅行運にまかせて。
また誰かと再会できるかもな。

ハルオ。お互い口に出したことはなかったけれど、俺たち二人、あの頃好きだった子も、実は同じだったりして・・・ ハルオ。
好きだったその子よりも ハルオ。俺はお前に会いたいんだ。

ハルオ。聴こえてるかい?

WILL

2009年11月22日日曜日

Blake's Drill Book

その① Blake みたび脱走

Blakeに脱走グセがついてしまったようだ。
原因は多分、僕の妹(上の妹)にある。
僕が仕事で留守をする時、妹にBlakeの散歩を頼んだのが始まりだ。
彼女は僕よりずっと遠くまで連れて行ってくれる。
なのでBlakeは彼女との散歩を待ち焦がれるようになり、散歩が終わって彼女が家に戻ろうとすると甘え鳴きするようになった。
それが第1回目の逃走劇となった。
彼用に作った柵を跳び越えたのだ。
成功に味を占めた彼はその後Jumpに精進するようになり、散歩の途中でもしばしば猫のように飛び上がるようになった。
僕の肩くらいある塀にも簡単に飛び乗れるようになった。

昨日の朝は妹が自分の家の犬を散歩をさせがてら我が家に寄った。
Blakeは彼女の家の犬にも親愛の情を示すのだが、その犬(チーズ君)はBlakeと友達になりたがっていない。
むしろ、自分の保護者がよその家の犬まで散歩させていることを苦々しく思っている。
だが、Blakeはそんなことにはお構いなしに妹に甘えた声を出し続けるのだ。
ちなみに以前、彼が飼われていた家は大家族で、多分、日中はおばあさんと何人もの子供たちがいた。
なので、基本的にBlakeは年寄りと子供には吠えない。
最近は家のそばを通る人たちを認識するようになって、皆さんが「最近、私には吠えないのよ。覚えてくれたんだねぇ。利口そうな犬だと思ってたよ」などと僕に話しかけてくださる。
ただ、中年のおばさんはあまり好きでないらしく、話しかけられると鋭くふた声三声吠えて、あとは知らん顔をする。
なついているのは多分、僕の二人の妹にだけだ。

で、昨日の朝は妹の姿が隠れた途端に、後を追おうと思い切りダッシュした。
その時、どういう加減か首輪から紐の金具が外れ、身軽になったBlakeは妹を追い越してしまい、どうもその瞬間、スイッチが逃走モードに切り替わってしまったようなのだな。
運良く、昨日も妹の息子が休みだったことから応援を頼み、3人体制でBlake捜索に乗り出した。
妹は自分の連れ出す散歩コースを探し、僕は僕のコースを探した。

Blakeが用を足した後の砂掛け行動で造成地の砂全部を掻き出してしまうのではないかと僕が恐れている場所はまだ健在である。
まあ、土全部掻き出すには死ぬまでかかるわナ、などと馬鹿なことを思いつつ歩いたが姿が見えない。
ちょっと焦りが募った。
ただし、それ以上探索場所も思い当たらないので一旦家に戻ろうと路地にも似た坂道を上りかけた時だ。

家と家との植木の陰に僕を見ている彼がいた。
「おお、Blake、そこにいたのか。ハイ、こっちにおいで」
手招きすると素直に駈けてきて、僕の足下でゴロンと仰向けになった。
しきりに足で空を引っ掻き、僕に撫でろと要求する。
褒めてやるわけにもいかないのでそのまま胸に抱き家に戻った。
その間の甘えようと言ったら…。
罪の意識はどうやら微塵もない。
多分、自由に駆け回りたかっただけで逃げる気はなかったのだ、と思うわせるに十分だった。
うーん、なんだかすっかり彼に籠絡されておるのかも知れん。

僕は昔からマニュアルを読むのが好きでないので全部我流で始めてしまう。
間違いは多いんだけど、その内、勘が働くようになるものだからずっとそういう姿勢でやってきた。
ただ、忠告は聞く人間なのでBlakeについての皆さんからのアドヴァイスは大層参考にさせていただいている。
で、理解できたことがひとつ。
それは僕がソファーから声をかけた時、彼が吠える理由。
これは仰せの通り、「そんなところに座っている暇があるなら、僕を可愛がれ!」という要求でした。
ソファからでなくとも僕が暇そうにしているとずーっと僕を見ている彼の視線がある。
「ン、何か用か?」
訊ねた瞬間、彼は低く身構えて僕に飛びかかる体勢になって吠える。
そばに寄ろうと一歩踏み出すと。彼は飛びかかる体勢からクルリと地面にひっくり返って腹を見せ、撫でろと要求する。
飛びかかる体勢から勢いよく寝転ぶので時々地面に激しく頭をぶつける。
そんな時は自分で自分に怒っているのか、激しく顔を前足でこする。
僕には失敗に照れている仕草にしか見えないので思わず笑ってしまうのだが、それに気づくと彼は歯を剥き、僕に噛みつく仕種をする。
ただし、噛むことはなくそのまま僕の手を舐め始めるわけだが…。
せいぜい生まれて一年強なので、やたらな甘えや失敗の多さは当然なんじゃないかな、と思ったり…。
甘いッすか?

こんな一部始終を30日から来てくれるというインストラクターはどう評価するのかな?
どちらにしろ甘えさせ過ぎだと怒られるのは覚悟してるんだけど、これが僕の愛し方なので、まあ、僕と犬とを上手に躾けてもらえればなぁ、とかすかな期待しているこの頃なのだ。

2009年11月17日火曜日

ピロリの除菌

先週金曜の夜からピロリ菌除去のための薬を服んでいる。
朝夕6種ずつの薬を1週間服むのだが、服み始めたら1回も服用し忘れてはいけない。
僕は毎朝10種の薬を服んでいて、その中のひとつは除菌薬の中にも含まれているので1週間だけはそれをやめて全15種(食前1種+食後8+6種)を服むんである。
そんなわけでこの頃は毎朝、薬によって生きている自分を実感している。

もう一つの注意点は薬の弊害としてどうもこの1週間は「軟便」になるんですね。
僕は普段から便秘気味なので昔は軟便になる薬を処方して貰っていたことがある。
なので軟便になるくらいの方が楽だったりするので、別にその注意を気にしていなかったんですね。
ところが、注意されたことはちゃんと注意しないといけないんですね。

今朝のことです。
僕は毎食前にも血糖値を上げない薬を服むんですが、この薬はおならが出やすくなるんです。
つまり、僕はいつでもおならをしている状態でもあるんですが、今朝、ちょっと油断していつものように平気でおならをしたら、なんか肛門の周りが暖かいのです。
ン? しくじったか? と思って急いでトイレに入りましたのさ。
まあ、情けないですねぇ。いわゆるお漏らしですよ。
なので、ピロリ除菌をこれからする機会があったら、是非、注意してね、という話でした。

今日のBlakeですが、雨なので玄関の中に入れてます。
小屋の中に入って寝ています。
僕は彼に気を遣って2階に上る時、忍び足で上ります。
下りる時も忍び足なんですが、彼はどうも気づいてしまうんですね。
常に玄関の鍵の下で外に出る用意をして待っています。
イヤ、上り下りの度にコレなので、なるべく上下階の移動には間隔を置いているんですが、下りると必ず待っているので、頭のひとつも撫でずにはいられない。
外に出たい、と手を噛むのだが(勿論、軽~く)、今日は雨だしネェ。本人もそれを知っていて、玄関の戸を開けた途端、ゴロンとお腹を見せて撫でろと要求するだけだしネェ。
まあ、今朝は降り出さない内に散歩も済ませているから一日放っておいてもイイでしょ?
彼が納得するかどうかは別としてネ。

余談だが今、『徹子の部屋』に大女優Oが出ている。
昔、テレビ朝日の喫茶室で打ち合わせのために時間待ちをしていたら、いかにもの業界人に「どけ!」と席を立たされたことがある。
その失礼な物言いに文句を言っても良かったが、打ち合わせ前にそれ以上気分の悪い思いをしたくなかったので席を譲った。そこに現れたのが件の大女優。
売り物の大きな目の白目の部分がなぜかヤケに黄色かったのだけを覚えている。
男は彼のマネージャーらしかった。

で、以後、Oさんに好感情が抱けないままここまできてしまった。
「彼女が悪かった訳じゃないのに」とは思うんだけど、駄目。
今日も話の内容は充実していたのになぜか駄目。
基本的に業界人しかいないテレビ局の喫茶室(しかもテレビ朝日のそこはとても狭い)でのあの振る舞いはOさんの評価に影響すると思うけどな。現にこうして彼女の業績が正しく評価できなくなっちゃった僕のような人間もいるんだしネ。

俳優やタレントは周りにいいスタッフを持たなきゃ駄目だとつくづく思う午後でした。

※実名をイニシャルに訂正(11月18日朝9:30)。
※「軟便」でなく今朝などはもう下痢。
 「旅行などに出る予定があるようなら時期を改めて1週間続けて下さい」とアドヴァイスされた理由が判りました。

2009年11月14日土曜日

新型インフルエンザ・ワクチン

今日は月一回の定期検診。
今晩からピロリ菌除去用の薬を服み始める。
見事に除菌できたかどうかは半年後に判るのだそうだ。

ところで新インフルエンザのワクチンだが、今月も接種してもらえなかった。
「接種が始まった」はどうやらごく一部、主に地方での話らしく、僕なんぞは「接種を急いでもよい対象」ではあるが、早くて来月、まあ、年明けくらいと考えなくてはならないらしい。
ハッキリ言って、宝くじなどにはちっとも当たらないくせに、病気などにはよく当たる私である。
怖くて怖くて人混みに出られないのでどんどん社会から遠ざかっている昨今だ。
学生なんかマスクしてる奴全然いないしね。
接種を待ってる間に罹患しちゃっても誰も責任取ってくれないンでしょ。

Blakeは僕が出かけそうな日は朝から恨めしそうな顔をする。
朝のゴミを捨てに行く時でさえ、置いて行くなとばかりに甘え鳴きする奴が、出支度の気配だけで、もう、ウンともスンとも言わなくなる。
可哀想なので裏の勝手口から出てくるのだが、なんか「行ってきます」と言って出てこられないことが申し訳なくなってしまう。

さあ、早く帰ってやろう。
現在「川越市」。あと35分の辛抱だ。

2009年11月12日木曜日

Angry Blake

まだ完全には通じ合っていないのでBlakeとの間にはいくつかの齟齬がある。
何を要求しているのかが解らないことはよくあるのだが、一番解らないのは「怒り方」。
リビングに入り込んだBlakeに僕がソファーに座って声をかけた時、とシチュエーションは決まっている。
かけた声が「そろそろご飯食べるか?」でも「何を探してるんだ?」でも、怒り方が同じなのだ。
つまり、声のトーンからして僕が怒っているのでないことは解ると思うのだが、彼は何故か目を吊り上げて吠える。
その吠え方は誰かを威嚇している時とは明らかに違うので、僕にだけ向けている怒りなのだが、彼が何故怒るのか僕にはどうしても解らない。
ちなみにそんな時、僕が近づくと彼は部屋から猛然と飛び出し、また、猛然と飛び込んできてけたたましく吠える。
僕が同じように吠えながら彼に近づくと、彼はごろんと仰向けになって腹を見せ、しきりに撫でることを要求する。既に甘えている。
なんだか解らン。
インストラクターの方は今月末日にやって来てくれることになった。
一回4,000円。ま、仕方ないのかな。

2009年11月8日日曜日

Blake リアル大脱走

庭で遊ばせる時は鎖につながないことにしていた。
今日は妹に食料品のスーパーに連れて行ってもらったのだが、その際も繋がないまま出かけた。
戻った時も大人しく柵の中にいた。
僕が食料品の整理をしようとした時、さっきまで甘え泣きしていた声が消えた。
勝手口の戸を開けて庭を覗くとBlakeの姿がない。
妹が家に戻る前に散歩に連れて行ってくれたのかと思ったら大通りの横断歩道あたりから大声で叫ぶ声が聞こえてきた。
「Blake!Blake!」
「兄ちゃん、Blakeが逃げちゃったよ!轢かれちゃうヨ!」
慌てて駆けつけると彼は通りを渡っている。今日は日曜で交通量が多い。
Blakeは横断歩道をやっと渡った妹に取り押さえられた。というより車二台に挟まれて立ち往生してしまったところを妹に捕まえられた、というのが正しい。
どうも一昨日、昨日、今朝、と、三日続きで散歩に連れ出してくれた妹になついてしまい、彼女と夕方の散歩がしたかったようなのだな。彼女に捕まった時、抵抗する気配もないのだから。
本人に悪気はないので何も無かったかのような顔で妹の腕に抱かれて帰ってきたが、途中で僕が抱き手を代わると急にショボンとして叱られると思ったのかみずから柵の中に入った。
その後は身を擦り寄せて甘え続ける。
心を鬼にして頭の一つも叩こうと思ったが、まあ、そんなことは僕にはできないのだな。
ただ、彼の寂しさは判っているけど、結果として彼は鎖に繋がれることをみずから選択したことになる。
こういう愛犬家の風上にも置けぬ(と思われる)放任主義の結果がどうなるのか判らないけど、彼と一緒にひとつずつハードルをクリアして、お互いにとって暮らしやすい形を模索して行くしかないのだろう。
手間はかかるけど、それでも仕方ないと思っている。

ちなみに一昨日はTsubuさんの仲立ちでコラアケゲン君が定期的にライヴ活動できそうな小屋を交渉しに出かけていた。

昨日は逗子まで海に沈む夕日を見に出かけた。
元・『スポーツニッポン』文化部長で、敬愛する音楽評論家・小西良太郎さんが逗子に引っ越されて、かつてのスポニチの書き手たちに「一度夕焼けを見に来い」と声がかかっていた。

僕は小西さんと過ごす時間がとても好きだ。
嵐山・逗子およそ3時間。でも、何時間かけても会いに行きたい人なのだ。
その独特の語り口が好きだ。
若かったあの頃に素直に戻ってゆける気がする。

ひばりさんや阿久さん、なかにしさんや星野さん、船村さんなどなどなど音楽界の超大物たちに今も昔も大切にされているこの評論家は、今や中途半端な物書きとして一生を終えそうな僕らかつてのスポニチの書き手をこよなく愛してくださる。
ここまで物書きとして生き延びたんだから大したモンだと自分を褒めてやりゃあイイじゃあねえか。
そう言って折角戴いたチャンスを上手にモノにできなかった僕らをかばってくれる。

小西さんの新しいお住まいから眺める逗子の夕焼けはバラ色で、レドンドの怒ったように真っ赤な日暮れより何倍か美しかった。

Blakeは今、自分の小屋に戻った。

2009年11月7日土曜日

Blake先生

5日前からBlakeの右前足がおかしくなってしまった。
妹は「甘えてるンだ」と言うのだが心配なので病院に行った。
僕が見てない時や静止状態の時でも片足をあげているから、甘えているのばかりではないと思う。
抗生物質をもらって服ませているくらいで現在格別な手当はしていない。
片足状態はひどく寒い日から始まったので、噛まれた傷痕が疼いているのだろう。

散歩の際の穴掘り砂掛けはさらに勢いがついてしまって、宅地造成地の砂を全部道路に掻き出してしまいそうなことになっている。
なんだかやけになっているような気もする。
小便とは関係なく後足を蹴っているので爪が伸びてかゆいのかも…などと思ってみたがそれほど伸びているわけではない。
後足だけを動かすのではなく前足でも土を掘っている形になるので、時々前足と後ろ足の動きがバラバラになってしまって、右の前後を同時に蹴ったために倒れてしまって、照れくさいのかチラッと僕を盗み見たり、勢い余って空足を踏んでしまってドテッと倒れたり、オソマツ芸の見せ放題で毎朝笑いが止まらない。
散歩映像をビデオに収めて上映会がしたいくらい可笑しい。

昨日は30分の散歩でウンチを4回。スーパーのレジ袋にほぼ半分の量をした。
持って帰るのが重たいほどだったが、その始末をしている最中にも動き回り、しっかり自分のウンチを踏む。家に着くなり、その足で僕の膝の上に丸々座りたがるのだからかなわない。
自分で小便をかけた草を食べ、その鼻とベロを僕にすり付けるのでさすがに汚いと思うがなんか拒めない。
小便を掛けたいなら草を食べてから掛けなさいと注意するが注意というものは一切無視。注意をされていることが解った時は低い声で唸り、「ウルセエ」という抗議をしている。
「ハイ、今後気をつけます」といった明快な答えは聞いたことがない。

ひと言で言うならどうやら「バカ犬」。
注意を聞くことはないのでお利口になる気配はないのだが 甘え方には天性のものがあって僕には彼を叱ることができない。

ちなみにインストラクターからはまだ連絡がない。
旅行に出た後、ご病気になられまして、現在徐々に回復中とのことですので、ご連絡をお待ちください。
仲介してくれたペット・クリニックの受付サンからそう電話があったきりだ。
新型インフルででもあるのだろうか?
まあ、僕は僕流にBlakeと暮らして行くので連絡は無いなら無いでそれでもかまわない、とこの頃は思い始めた。

まともな仕事もしないうち、ずるずると「余生」に入って行ってる感じがなんだかイヤなんだけど、こういうだらしなさは本来僕が持っていたものなんだよな、とも思い始めている。

バカ犬が僕に何かを気づかせてくれるのかもしれないので、それを楽しみに生きればいいか、とも…。
としたら「Blake大先生」と化す可能性も残しているので…。

2009年10月31日土曜日

今月のセレクト

今月はこの一本をセレクトしました。

かぜさん
何かの拍子にすごく食べたくなるけれど、あまり他人には話したくない(何となくハズカシい)ような、美味しい「丼ものレシピ」ってありますよね。
お店の賄いご飯みたいに簡単に作れて、最高に美味しいウチご飯。個人的に、かなりこだわってしまうほど好きなのに、他人からすると「げーー、なんでそんなに好きなの?」っていうレシピ。

今日は僕の大好きなこだわりB級レシピを紹介させてください。本当に簡単に出来て美味しいんです。

その1:シャケおろし丼:別名「ぐちゃぐちゃサーモン丼」

①熱々のご飯を丼に7分めまで盛る
②大根おろしをタップリと大さじ3杯くらいのせて
③その上に中骨付のシャケ缶を潰したものをのせます
④その上に醤油を少なめにかけてから
⑤マヨネーズをお好みでかけて
⑥最後に冷水で晒した刻みネギをたっぷりとのせて完成。
⑦(ここが大切なのですが)よーーーく混ぜで、ぐちゃぐちゃ状態にして、熱々を一気にわっしわっしとかっこむ(^_^)ああ、幸せ!って感じ/

自分的にはいろんなこだわりバージョンがあって、柚胡椒をのせてみたり、ピリ辛の「かんずり」を載せてみたり、その時に出汁とかお吸い物があればそれを使って「お茶漬け」バージョンにしてもおいしいです。ネギ以外のトッピングとしては、ザーサイとか古漬けのキュウリとかもOK.まさに「なんでもあり!」(爆)。

その2:ぶたねぎ丼;別名 「メタボ丼」

①お好みのオイル(僕は普通のサラダオイルを少量使います)で、ニンニク1−2片のみじん切り&刻んだ鷹の爪を強火で炒め、香りが出たら・・・
②冷蔵庫に残っているような豚ばら肉を、これまた適当なサイズに切って適量(100gくらい)を投入し強めで炒めます。
③軽く焦げ目が出来ていい香りが立ってきたら、3cm位に切っておいた長ネギ(あおい部分も可)をそこに投入
④鶏ガラスープの粉末を、ぱらりと入れ、さらに日本酒か紹興酒を適量ふりかけてから、鍋を煽って、⑤市販のラーメンスープの素1/2袋くらいを投入(ない場合には、ふつうの醤油で可)⑥塩胡椒で味を整えて (この辺りで、最高に美味しそうな匂いが立ち上ります)⑦これを熱々のご飯にのせて・・・ぐちゃぐちゃにして、かっこむ。

この丼のトッピングの王道としては、やはりキムチでしょう。変わり種としては「納豆」ってのも面白い。
テな感じで、この丼その①とかその②を、「うっめー♡」とか言いつつ、わっしわっしと恍惚の表情で食べる僕の姿をみて、かみさん&3人娘は「引いて」ます。
女性は、ああいったぐちゃぐち系ってだめなのか?というか、ぐちゃぐちゃ系をわっしわっしと食べるおっさん(僕)の姿がダメなのか?(爆)
美味しいんだもん、いいじゃん(笑)。
=====================
11月29日のライブでお会いできるのを楽しみにしております。

まーく@ハックルベリーフィン でした。

2009年10月28日水曜日

Blake's Escape

いやはやとんでもないことになっている。
僕は午後10時就寝、午前2~3時目覚め、4時起床、という生活になってしまった。
Blakeの午前3時の夜鳴きはもう無いのだけど、なんかヘンな時間にひと鳴きするのだな。
そのために元々眠る体力が衰えた僕の身体は徐々に起きる準備をし始めてしまうらしい。
4時には着替えをして寝呆けた頭で仕事部屋に入り、PCを開くのが日課だ。
このままなんとか6時まで物音を立てずに過ごさなければならない。
何故って彼は僕が階段を下りるのを待っている。起きていることには気づいていて、降りてくるのを待っている。
姿を見た瞬間、何故、放っておいた、と泣き叫び、玄関を開けるまで時には大声で、時には懇願するように低く切なく泣き続ける。
だけど、この季節になると田舎の6時は暗いし、寒い。
怪力の散歩に耐えるには僕には身体を温めておく必要だってあるのだ。

Blakeは昨日全身シャンプーした。
上の妹が息子を連れてやって来てくれ、泣き叫ぶBlakeを洗ってくれた。
前回より大分おとなしくなったものの悲痛な声と抵抗を示すのは相変わらずだ。
終わった途端にご褒美を要求したのには全員で笑っちゃった。
甥に散歩を頼んだら十数分後、抱きかかえて戻ってきた。
どうやら首輪から頭をスルリと抜いて逃走。墓石の陰に隠れていたらしい。
シャンプーの時に首輪が緩いと気づいていたのだが、締め直さずに散歩に出してしまったのが原因だ。
どうも全速力でアテもなく逃げる、という風でもなかった由。
とにかく鎖に繋がれている日常がイヤだったのだろう。
それに5頭で飼われていた時のように仲間がいないしね。寂しいに違いない。

Blakeは自分より身体の小さな動物が好きだ。
小型犬のつけていった匂いのあとを追う癖がある。
散歩では多くの犬に出会うのだが、小型犬にはやたらに媚びた声を出す。
大型犬にも仲間になろうと声をかけているようだが、ほとんど無視されたり、恫喝されている。
そんな訳で今のところ友だちは出来ていない。

猫も嫌いではなく、「猫の嫌いな匂い」にも負けなかった「武蔵」ンチの猫達の1匹には特に甘い声をかけている。
彼らは性悪にもBlakeの鼻先50センチ近くをうろうろして、つながれBlakeをからかっている。
春頃の3匹から数を増やした猫たちは相変わらずわが家に忍び込もうとしたり、玄関に小便をしているのだが、そのたびにBlakeは「オレもあいつらのように自由にさせてくれ」とばかり、泣き続けるのだ。
道行く人には吠えたり吠えなかったり。
少しマシになってきたが、スピーカーから流れる音が大嫌いで、お昼を知らせる村のサイレンとこどもたちに帰宅を促す4時半(春夏は5時半)のチャイムとそれに続くアナウンスの際は狂ったように吠え続ける。まさに狂ったように言うことを聞かなくなる。
粗大ゴミ引き取り車のちり紙交換の人がするようなアナウンスに最もイラつくらしく、これには攻撃的に吠え立てる。
この間は遂にご近所の人からBlakeに「うるさい!」と怒声が飛んでいた。

とりあえずインストラクターに教育して貰うことにした。
この二日、その電話を待っているのだが、今のところ、連絡はない。
前にも書いたけど、この辺りの人は商売ッ気がなく、僕は時折、そのプロ意識の低さにイライラするのだけど、まあ、郷に入れば、かとすべてに寛大になり始めている。
諦め混じりの寛容は好きではないんだけど、ま、これが「埼玉」だよねぇ。

2009年10月22日木曜日

Blake's hind legs story

Blakeは雨ざらしの犬小屋で育った。
元は物置だったような(といっても田舎の物置は家1軒分だが)、小屋の下に5つの犬小屋が距離を1~2メートルずつ離して置かれていた。
彼らはそれぞれに繋がれていたが、彼らの間では当然、犬同士の情報交換があったと思う。
だが、彼らは繋がれたままだから実地体験には乏しく、彼らの常識にはちょっとした欠落もあったのだと思う。

Blakeの「常識」ははなはだ「非常識」である。
彼は「なんのために」そのことを行うのか知らぬまま、見様見真似でモノを覚えてしまった。
典型的なのがオシッコした後、後足で砂をかける動作。
どうも彼の頭には、「犬の行動形態には後足で砂をかける動作というモノがある」ということしかインプットされていない。
なので彼はオシッコをしようがウンチをしようが、時には出なかったり、しなかったとしても、とにかく「後ろ足で砂をかける」のである。たとえ、それが「砂」でなくとも、野原の草でも、敷石道でも、歩道でも、とにかく「思いっきり」蹴る。

「砂をかける」勢いについても無知である。
加減を知らないので何度もやる。時々砂利道では小石も蹴り飛ばす。自分の鼻を小便やウンチに向けて、後足で蹴る。つまり彼の行動は本来の役目を何も果たしていない。
用を足した後の儀式として「後足で蹴る」のだが、後足ばかりか前足も蹴るので、「お前は穴を掘りたいのか!」と思うほどだ。多分、僕以外の人には「穴を掘っている」様にしか見えないと思う。
僕は散歩の度、苦笑し、時に笑い転げてしまう。
犬たちの情報交換は彼にとって、ことほど左様に何の役にも立っていなかったのだ。

散歩の際の「自分勝手」は相変わらずである。
軍手をして手綱を持とうが僕の手は擦れて、正直言うと感覚のない関節がある。
凄い力なんである。
極端に言えば、歩き方も、綱の引っ張り具合も常軌を逸している。
狂ったように臭いを嗅ぎ廻り、走っては止まり、嗅いでは自分もし、自分のした臭いをまた嗅いで、その匂いにまた、自分でし、自分でし、自分でし、くどいくらいだ。
おまけに自分の匂いでまた尿意を催すのか、とにかく、し、やっと歩き出すと、つぎは「ハアハア」と荒い息づかいで手綱を引っ張る。
荷馬車を牽いてる牛のように、首輪がのどに食い込んで、ゼイゼイ言いながらも、とにかく引っ張る。
僕は思わず『ドナ・ドナ』が歌いたくなってしまう。
方向は自分で勝手に決めていて、信号が点滅していようと、電車の警報機が鳴っていようと僕を引っ張って行く。

あと何ヶ月かでBlake との散歩は出来なくなると思う。
怒っても頭を下げるのはその時だけで、「サ、行こう」といった途端、元の木阿弥。猛然とダッシュする。そして、ムリムリッと怒りのウンチ。なんでかバカに臭い!!

ところがこの自分勝手なBlakeは家に戻った途端、別犬と化す。
腰を下ろした僕の隣に座ると全身でもたれかかるBlake。
股の間に入り込んで、太ももに身体全体で座ろうと試みるBlake。
雄犬だというのに誰にも出したことのない甘え声でご褒美をねだるBlake。
他犬の小便の跡を嗅ぎ廻ったり、舐めたりした鼻とベロで僕にキスしようとするBlake。
とにかく僕が彼の見える場所にいる限り、四六時中、まとわりついている。
僕と僕の家全体はそんな訳で目下、犬の毛だらけ。
さんがつサンには身の毛もよだつ光景かもしれない。

ちなみにペディグリーチャムにまぶしたドライフードは今日もドライの部分だけ食器に残されている。
彼は食事を出しても「ドライはイヤだと言っただろ」と僕に意思表示した手前、すぐには飛びつかず、僕が見ている間は絶対箸を出さない。箸は無いから、手をつけない? ン、手でも喰わんか。
ま、とにかく喰わない訳だが、僕が他の用事をしている間に、時には全部ペロリと、時には肉の部分だけ、きれいに食べている。
つまり、僕の見ていない間に、だ。
姑息だ。姑息だが可愛い。

うーん、毛玉に絡め取られてる。あ、イヤ、手玉に。

2009年10月19日月曜日

Blaking News

Blakeの夜鳴きはやや収まった。
ただし、僕が起きて仕事を始めようとすると、一時間も待ってくれない。
早く散歩に連れ出してくれ、と4時半頃からせがみ鳴きを始める。
それも道理で、彼は外で飼われていたから家の中で小便をする習慣がない。
午後の5時には家の中に入れてしまうので、彼はひたすら小用を我慢していた訳だ。
可哀想なのだが今のところ、手がない。
夜の8時頃、散歩をせがむが、外は真っ暗。それで連れてきた翌日には僕が捻挫している。昨日まで10日近く青く腫れていて、今朝、やっと色がなくなったほどだ。

さて、散歩が彼の一方的なペースで進められているのは現在も変わらない。
りみっとさんから「躾の手引き」を戴いたが、僕の叱り方はどうも彼には通じていない。
しかも、朝の散歩ではウンチをしてくれない。
そのために午後にも散歩に出なくてはならないのだが、出来ればウンチの始末なんて人の見ていない時間帯にやりたい。
だって、相変わらず大量で、始末に時間がかかるんだもの。

ちなみにドッグフードはペディグリーチャムの高級缶になってしまった。
薬を忍ばせて食べさせていたのが癖になって、ドライフードだけでは匂いも嗅がない。
このワガママに閉口して一日放っておいたが喰わない。
おまけに夜になったら震え始めたので、仕方ないから美味しいのを喰わせた。
今朝はペディにドライを混ぜてみたら食べていたので、夜もそうしたら今のところ臭いを嗅ぐ気配もない。
かわりに餌をやっている僕の足に自分のロープを素早く巻き付けて僕を動けないようにしやがった。
ロープをほどくために、僕が上がりかまちに腰を下ろすとすぐにそばに寄ってきて、僕の身体に全身でもたれかかる。
もう、愛しくなってしまって抱きしめずにいられない。
すると、彼の足が僕の太ももに乗り、そのまま、全身を預けて力一杯僕を立たせまい、ここでこのままこうしていて、との意思表示。
ああ、惚れてまうヤロ! イヤ、もう、完全に彼の術中だ。

Blakeは小便が上手くできない。
右側を歩いていて、小便する時、普通、犬は右足を上げて済ませると思う。
ところが彼はわざわざクルリと後ろを向き、左足を上げたりする。
けれど、これはいつも、ではなく、普通の犬のように右足を上げてすることもあるので、単に、習慣が出来ていないだけなのだと思う。
ただ、どっちの足を上げるか決まっていないため、時々、僕の足を電信柱代わりにして小便ひっかけたりもする。

早く家の中で小便する習慣をつけて、せがみ鳴きをやめて貰いたいと思っている飼い主様である。
コホン。

2009年10月14日水曜日

Blake三昧

この一週間、Blakeに振り回されている。
一つは夜泣き。一つは散歩。
3時に鳴く。これを知らん顔すると5時に異常な声で鳴く。
怒っている。早く外に出さなきゃお漏らししちゃうじゃないか!と。

物置の外の泥だらけの犬小屋に5頭で飼われていたから、外でしか用が足せない。
最初の二日は玄関でしちゃったが今は散歩の途中でしかしない。
ただし、あまり上手に出来ず大抵は自分のを踏んじゃう。
量はかなり減って、あんパン3個分というところだが、ここ何日かは散歩に二回出るようになり、その都度、する。

小用を足した後は後足で砂をかけるが、砂をかける意味がわかっていないのか、小便の跡にかけるのではなく、全然的外れの所でとにかく後足で土を思いっきり蹴る。
悪いが笑っちゃう。

ちなみにBlakeは結構気が強く、どんな犬にも吠える。
病院に行くほど噛まれた犬にも吠える。
更に散歩は楽しみを求めておらず、とにかく歩き回りたいらしく、もう、右往左往。
手綱の持ち手を変えるのに大わらわだ。
しかも、下を向いたまま、とにかく地面を嗅ぎ廻り、歩くと言うよりは駆けている。
時々、首輪がのどに食い込んでゲホゲホするほどなのに急ぎ足をやめない。
ハッキリ言って非常に疲れる。
ボクの身体のためにはあまりイイとは言えない散歩の仕方だ。
多分、その内、一緒に散歩は出来なくなると思う。
なんたって力まかせに歩くのでリードを持つ手が擦れて、ちょっと腫れているほどなのだ。

鳴きさえすれば跳んできてくれて、鳴きさえすればおやつもくれることも覚えてしまった。
なるべく昼間は外に置こうと小さな庭に小石を敷き、小屋も設置し、逃げないように柵も巡らした。
ところが、柵の下を掘って外に出ようとしたり、柵を跳び越える仕草も何度か繰り返し、さらに道行く人にはとにかく姿が見えなくなるまで吠え続けるといった具合。
ところがボクがそばにいる限りは鳴くこともせず、誰かに名前を呼ばれればしっぽまで振ってみせる。なんかボクはコイツに手玉に取られているみたいなのだ。

ボクはいくらでも甘えん坊にはさせられるけど、躾は多分、下手。何でも溺愛してしまうたちだ。

二日前から家の中に置いている(これまでは夜だけだった)。
化膿止めを飲ませるためペディグリー・チャムの中に隠して与えたところ美味しい味を覚えてしまったらしく、昨日からもういわゆるドライタイプのドッグフードには口をつけない。半生タイプも拒否してる。
多分、犬好きの方々もいささか退いてしまうようなワガママをし始めている。
この子は案外したたかな気がする。
インストラクターにつけなきゃダメかもね。

明日は病院で傷口を止めたホッチキスを抜いて貰う。Blakeに始まり、Blakeに終わる一日。なんか飼い主の方にちょっと疲れが見えてきたかも。

ところで本家BlakeことBlake Lewisはやっとセカンドアルバムが発売になった。
デビュー作『Audio Day Dream』は不発という烙印を押されたのだろうか?
Sony傘下の大手レーベルから解雇されたのか2作目はTommy Boyというレーベルからの再出発だ。
多分、インディーズ・レーベルだと思う。
会社の公式サイトを覗いたら知らないアーチストばかりだった。
アルバムタイトルは『Heartbreak on Vinyl』。10/6発売と知って9月の頭に予約したのだが残念ながらまだ届かない。
アメリカでは何ヶ月か前からテレビでも披露していたシングルカットの『Sad Song』が4週前から『ビルボード誌』の「Dance/Club Play Songs」チャートに登場していて、今週は25位まで上がってきている。
しかし、シーズン6の優勝を競ったジョーダン・スパークスは2作目のアルバムからも『Battlefield』を最高位10位まで上げている。大きく水をあけられてしまったナ。

ちなみにシーズン8の優勝者クリス・アレンも準優勝者アダム・ランバートもデビューアルバムが出たようなので予約した。
5位のマット・ジロードは番組に出る前に2枚のアルバムをインディーズから出していたらしいので、これも一枚予約した。
シーズン8からは4位のアリソンもデビューが決まったらしい。
前シーズンのファイナリスト何人かもデビュー・アルバムが出ているが「史上最低のシーズン」と呼ばれたシーズン6の連中ほどボクには愛着が湧かない。いずれもパスした。

本家Blakeの歌声を僕は今、待っているところだ。

2009年10月9日金曜日

笑えない

飼い犬に手を噛まれた。
今日は一人にし過ぎたのでおやつをやろうとしたのだ。
長くて食べにくそうにしているささみジャーキーを折ってやろうとした時、ガブリ!
加減というものを知らんのか!
手当をしたが痛い。
と言うよりショックで寝込みそうだ。
溺愛の押し売り、のシッペ返しか?

2009年10月8日木曜日

Blake 大災難

雨風が落ち着いた午後から義弟が庭の柵を作ってくれた。
ボクはこういう仕事には全くの役立たずなので、2時から床屋。3時から動物用消臭剤とまだ直らないねんざ用シップをマツモトキヨシで。
勿論、皆さんのご意見に従って別の味のドッグフードも。
ところで余談ですけど「目標○○○○店!」とCMで連呼していたあの薬局チェーンの今は? 最近、CM見ない…。
その後、YAOKOで食料品の買い入れ。スンドブとパン、ヨーグルトなど。
戻ると4時。柵作りは後片付け段階で、そこに近所の女性がやってきた。
世間話をしているそばでBlakeはしきりに義弟に散歩をせがむ。義弟は彼の大のお気に入りになっていて、彼の去り際には悲痛な鳴き声を上げる。

そんな訳で義弟が今日も午後の散歩に連れ出してくれたのだが、事件は戻った直後に起こった。

ボクと同じ敷地内に二軒長屋のアパートがあって、その一軒には近隣評判のどう猛な犬がいる。
「猫が嫌いな匂い」にも負けない猫もいる。最近では更に数が増えた。
その犬「武蔵」は以前、よその子犬を噛み殺しそうになった時、止めに入った飼い主に噛みついたことで知られている。

その「武蔵」がボクが世間話をしながら手綱を握っていたBlakeを突然、襲った。

右前足の太ももあたりに噛みついたまま離さない。
悪いことに武蔵の手綱は飼い主が手元で長さを調節するリールみたいなヤツで、かなり大きい犬が攻撃目的でダッシュしたら手綱の調節は利かない。つまり飼い主がいくら引っ張っても伸びきった手綱は短くならない。
義弟が思いきり武蔵を蹴り上げたが離す気配はなく、捻挫のボクはオロオロと動けないまま、成り行きを見守るばかり。
義弟が武蔵を何度か蹴り上げてやっと二頭を引き離したのだが、Blakeは足を引きずり、見ればポタポタとしたたる血。

6時半、閉まりかけの動物病院に駆け込んで傷を見て貰ったがかなり深手を負っていた。
もう、何とも可哀想な治療を受けて、化膿がひどければ手術と宣告されて、今、戻ってきた。

病院の中で小便を、治療後に外でうんちを。躾されていないBlakeは見境がつかない。
ボクにはすでに甘えきっているが命令にはまったく従わない。
甘え方が可愛いので怒りきれないボクをどうやら見透かしている雰囲気も。「人こまし」の犬である。
今日も強風吹き荒れ、木の小枝が折れて落ちてくる午前に散歩をせがんで鳴き止まず、結局、「こんな危険な時に散歩に付き合うなんて俺ってバカ?」と悔やむボクの前でたっぷりのうんち。朝晩合計あんパン5個分くらいか。
喰わせすぎとの声があるので、明日から徐々に減らします。でも、一回の食事量はご飯の1合カップに乾いたフードと半生タイプ併せて2合なんだけどやっぱり多すぎ?
ちなみにさっき病院で知ったが目方はまだ7.5kg。
小型犬の体重だね。

薬を食事に混ぜないといけないので、犬用ビーフ缶を買いに行き、さっき食べさせた。
明日は授業。なついてる義弟に面倒を見て貰い、急ぎ帰ってくるつもり。

2009年10月4日日曜日

危ない橋を渡る~Blakeがやって来た


昨日、突然、犬が欲しくなった。
イヤ、前から欲しかったんだけどもう我慢が出来なくなったちゃったんだ。
で、妹に心当たりの家を当たって貰った。運良く親戚に里親募集犬が5匹もいるらしい。
そのお宅には、子供の頃、親戚の中で一番大好きだったお婆ちゃんがいた。
お婆ちゃんになっても名前は「おジョウさん」なのサ。きれいな人で僕をいつも褒めてくれた。
何かの縁かなぁ、なんて思ったりもした。
夜も7時になってたんだけど、すぐに見に来い、というので、もう、真っ暗だっての伺ったのサ。
5頭の内、2頭が今年2月に生まれたんだそうだが、そこそこ大きい。
なついてくれるかな? ちょっと迷った。おまけに犬小屋の辺りには明かりが一つもなく懐中電灯でしか彼らの顔が見えない。で、日を改めることにしたんだ。

帰りに気づいたのは、欄干のない橋。
その村からの出口に当たる川に架かってる。
別方向からその集落に入ったので行きには気づかなかったんだけど、まあ、怖い橋。危ない、と言った方がいい。
ワゴン車だとギリギリの幅しかない。で翌日、その橋を写真に撮ってみよう、ってことになったんだ。
それが上のと下の写真。危なそうでしょ?
犬は雄が良かったので、と言うより、名前が「Blake(ブレイク)」と決まっているので雄じゃないと困る。
で、どうも今年の2月に生まれたんじゃないみたいなんだけど(つまり、生後8か月にしては育ちすぎてるんだけど)僕にしきりと近づいて身体を擦り寄せる一頭に決めた。
すぐに日曜大工用品を扱う大きな店でペット用品を買い漁った。
小屋も組み立て、昼は外で、夜は玄関に住んで貰うことにした。
まあ、今日は来たばかりなので家になれて貰おうと思って玄関にいて貰ったんだけど、ふと気づいたら半日居るのに小便も大便もしてない。
多分、ずーっと外に置かれてる生活に慣れちゃってて、どこにしていいのか解らないんだな、と思い、暗くなってたんだけど散歩に出た。
そしたら突然、ジョビジョビ、ブリブリ、思った通りだったんだけど、彼があまりに僕の周りを飛び回る。気を取られていたら、側溝の段差に気づかず、足首をグリッ!イテッと思ったら、この時間、腫れてきて、痛みが続いてる。明日は1日目から散歩はお休みかもしれない。
予防注射やらシャンプーやら、やってあげなきゃならんことがいくつもあるんだけど、コイツと上手くやって行けるかな?
「Blake」と呼ぶと、その都度ビクッとしてしまうらしいとこからまずは直して行かなきゃ。


これが僕のBlake。仲良くやろうゼ。

2009年4月27日月曜日

トライ・トゥ・リメンバー

想い出そうあの秋の日
麦も実る頃…

先週は心底ツキのない一週間に思えた。

火曜日。大雨。
雨の日には、決まって、なので驚きはしなかったが階段を下りるのが危ういほどフラフラする。
天気の回復と共に体調も上向くサ、と楽観していたが…。

水曜日。上天気だというのに真っ直ぐ歩けない。
急に天気が良くなって身体が天候のアップダウンについて行けないんだ。
自分をそんな言葉で丸め込んだ。だが…。

木曜日。前日の好天を維持しているのに体調不安定は変わらず、思わず階段から落ちそうになる。
主治医にメールした。
すぐに返信をいただいて、今月初めに代えた血糖値を抑える薬が強すぎて低血糖を起こしているのかもしれない、と…。
僕も多分そうではないかと疑っていたので全く納得なのだが、既に、朝、その薬を飲んでしまっていた。
つまり木曜いっぱい、ふらつきは解消しないことになる。
金曜日に飛び込みで検査していただくことになったのだが、金曜日は僕のスケジュールがかなり手一杯。
朝8時台の電車に乗って検査を受け、12時までに検査結果をお聞きし、13時から学校、16時からFMさがみの録音。すぐに家に戻ってラジオのWebへのupと翌土曜に予定が組まれている僕のサイト『たむたむたいむWeb版』500,000 hit記念OFF会の準備をこなさないと、晴れ晴れとした気分で記念の日を迎えられそうになかった。

金曜日。昨日の薬から24時間過ぎているのでふらつきは幾分解消していて、朝8時27分発の電車で一路東京へ。
ところが早朝に人身事故があったとかでダイヤは乱れていて、徐行運転が目立ち、池袋着が10時過ぎ。
地下鉄はまだラッシュだったがとにかく乗り込んでお茶の水へ。
採血と心電図の検査を受けて結果、血糖値以外の数値には異常がなく、とにかく一旦代えた薬の服用を止めて、元の薬に戻した。
午後の授業は今年度2回目でまだ教える方も教わる方も手探り状態。受講者数は昨年度より微増。
90分の授業を終えてすぐに赤坂に向かい、『人生を変えないラジオ』今月分を録音。
空気は湿っていて、いつ、雨が落ちてきても不思議のない案配で、案の定、武蔵嵐山に着いた時にはポツポツとやってきていて、明日の大雨が予想された。

一日、奇妙に疲れ切ったたためにOFF会の準備にもラジオのupにも着手する気になれず無駄に時間が過ぎて23時。
無理矢理、睡眠薬を服用して眠りについた。
朝4時。OFF会の用意を何もしていない、ということが気懸かりで目が覚めてしまい、まず、Web RadioのUp作業を済ませ、OFF会から戻ったら、Click2回だけでup完了となるよう手はずを整えた。

OFF会の準備は…。
歌の詩の朗読はリクエストによってプログラムに組み込まれているのだが、前回と同様の『スライズ』1曲だけで済ます訳には行かないだろうなあ、とは思っていた。
だが、体調不良で新作は用意できなかった。
何にしようかと悩んだ。
『コーラスライン』のブロードウェイ・オリジナル・キャストによる『愛した日々に悔いはない』を用意してみたが感情が上手く乗せられない。
で、これまでやってみて何とかそこそこにやれたモノを1曲目に置くと少し気が楽になるかもしれないと思い、スザンヌ・ヴェガの『トムズ・ダイナー』を選んでみた。
22年ほど前、突然、WAHAHA本舗の公開忘年会に模擬DJをやれ、と言われて慌てて訳したのがこの歌だ。急場を切り抜けた実績のある曲なのでこれがこなせればあとは何とか進行させ得るような気がした。
声に出して読んでみたら一度のトチリもなく読めた。
2曲目に選んだのはジャニス・ジョプリンの『ミー・アンド・ボビー・マギー』。
クリス・クリストファソンが自作のこの歌でデビューした時、一度訳してみたことがあった。
『フォーク・カントリー・ベスト』という番組でのことだから37~8年も昔のことになる。当時の訳詞はあまり上出来とは言えなかったので17年ほど前に訳し直した。
割と意の伝わるモノになったが、語感に力がないので少し詩を変えてみたら、今度は声に出した途端、涙が止まらなくなってしまった。
この歌だけでつながっていた人間が僕にはいたからだ。
ま、涙が出た時はそれはそれで良いだろう、と腹を決めて3曲目の『スライズ』を声にしたらこれはすぐに胃の腑に落ちた。
前回はトチリにトチったのに…。

ところが、さて、音を探そうとして困った。
『トムズ・ダイナー』のCDはない。おまけに絶対持っていることが解っているのに『スライズ』も出てこない。
焦っても仕方ないのでレコードからMP3に落とせるというプレイヤー買っていたことを思いだして、これを使ってみることにした。実はこんな日のあることを想定してもいた。
ソフトのインストールから始めるので手間はかかるのだが、11時28分の電車に乗れば約束の場所にはつけるのだから、と判断して落ち着いて取りかかった。だが!…
音質の良いスピーカー付き携帯プレイヤーに挿入するminiSDカードのアダプターが見つからない。
なにせ、いまだ引っ越し荷物が片付いていないので、こんなことが日常茶飯となっている。
だが、それがないとPC経由でminiSDカードに落とせないのだ。
仕方ないので通常のSDカードを使うことにしたのだが、こちらは再生機に一時停止の機能がないのでいちいち機械をONすることから始めなければならず間抜けな進行になることは目に見えていた。
ちょっとブルーな気分になりかけたが、今日のOFF会には北海道や九州からもサイトの読者がやって来てくれる。小さな障害を問題視してブルーになんかなっていられない。
第一義に考えなきゃならないのは自分なのか、読者なのか?
体調が不十分なので逆に冷静になっている自分がいた。

冷静になると全部が時間内で処理でき、僕は40分も早く渋谷に…。
雨は土砂降り。
ガード下の喫茶店でプレイヤーの電池を全部新品と交換して電池切れという間抜けな事態をひとつ未然に防いだ。
5年前までは雨が降ると呼吸が上がってしまい、人間として使い物にならなくなっていたのだが、主治医Mさんのおかげでその心配はしなくて済むようになった。
Mさんもかつて僕の番組を聞いていて下さった由。その縁でレドンドでお会いし、現在に至っている。

500,000hit記念OFF会。
渋谷のカラオケハウスPaselaで3年前から10万毎の区切りに行われるようになったのだが、毎回、幹事を買って出てくれているhecoちゃんの尽力で万事滞ることがない。
今回も30人を超える参加者の事前取り消しや駆け込み参加表明にまで柔軟に対処してくれて大層有り難かった。
こういう集まりは段々メンバーが固定化して行き、身動きがしにくくなると色んな人から聞いていた。
事実、前回はそんな気配が出始めていたのだが、今回は初参加の方がかなりいた。
その方たちの人数が上乗せされて30人を超えることになった訳だが、その効果は自己紹介で早くも表れた。
紹介もなく慣れきったメンバーで楽しく過ごすのとは違った初々しく新鮮なOFF会になった。
僕は嬉しくなった。心からこの会を開いて良かったと思った。幸せだった。
早い時期からの参加者も会における距離の置き方が自然で初参加の人たちが居易い状態を作ってくれる。初めての人も不必要な遠慮をせずに交流し合っているのを見て、「オレはなんて幸せなヤツなんだろう」と実感した。

hecoちゃん、アプリさん、みんちゃん、クーコさん、さんがつさん、ITSUMIさん、ハイパパさん、CHIHARUさん、むつらぼしさん、まつ坊、サイトの管理補佐をしてくれているらんまる君など、旧知のメンバーがごくフツーに座っていてくれる居心地の良さ。
手慣れた仕切りをされると新参の人たちは退いてしまうモノだが、この会にはそれがない。
こういうことに気働きの出来る人が揃っているのが嬉しかった。

今や広告業界のアイコンでもあるさとなおさんが「私もかつての聞き手の一人です」という立ち位置で乾杯の挨拶をしてくれた。しかも僕がDJになった頃からの聞き手だった阿鬼羅君とtsu-buさんが来てくれているこの空間が何とも心地よい。
今や中堅どころでサイトの書き込みを締めてくれているりみっとさんや落書君、ラジオ用お便りをいつも呉れた(最近はご無沙汰だが)くりおねさん、tamutamuさんも居てくれて、勿論、書き込み常連メンバーの欠席もあるにはあるが今回はメンバー的な過不足が小さい。
そして初参加の藤丸さん、デミさん、くすくすさん、ミスターボクさん、最近、掲示板を活性化してくれてる真田メイさん、北海道釧路から来てくれたWILLさん、同じく北九州から来てくれたアイナプーさんとなんだかバランスが良い。何となくスケール感も…。
二次会にはあくびさん、名古屋からの村崎きみどりさんも参加を表明してくれているにぎやかさだ。

自己紹介の後はコラアゲンはいごうまん君の独演リポート。
5年ほど前、WAHAHA本舗の社長で演出家の喰始が僕らのグループの恒例集会に彼を連れてきた。
この業界にデビューして3年目に組み、一年で解散した事務所の解散記念として毎年恒例の集会を行うのだが、地方で開催する時は夜が退屈なので、芸人さんに特別ゲストとしてきて貰う。
5年前の初夏、箱根強羅の温泉宿にやってきてくれたのがコラアゲン君とウクレレ英二君だった。

ウクレレ君はウクレレを津軽三味線のように操って聞かせる見事な技と、高倉健の物真似という一瞬芸があってすぐに商売になると判った。
一方のコラアゲン君の語り芸には大笑いさせて貰ったのだが、この特殊な芸は思いの外、売り方が難しいと思った。
売れるまで付き合わせて貰おうと思った。この芸が商売にならないのでは勿体ないもの。
この5年、彼のステージにはなるべく顔を出して、売り方を模索していたのだが、最近、僕の中では何となく方向が見えてきたような気がする。
僕の目論見が成功するかどうかはまだ十分な自信はないのだが、引っ越し騒動が一段落したら企画書にでもしたいと思っている。
今回彼はOFF会のために「社保庁」の対応を実感してみるという課題にトライしてくれた。
取材時間の関係で中身は通常より薄いがどんな課題でも笑いに持って行ける、報告して聞かせられるという確かな技を身に着けたことがよく判った。
ちなみに彼の4月23日付のブログをお読みいただきたい。
巧まない文章に彼の底力が垣間見えて、泣く。

次はハックルベリーフィンのOFF会恒例ライブ。
まーく君は現在、都内某病院の病院長という要職にあるのだが、医者特有の威圧感を人に感じさせない。
じょーじ君は広告代理店勤務なのでかつて自分たちが活躍していたニッポン放送などにも今も仕事として出入りしている。
メンバーの一人、さくちゃんもお医者さんで、僕との接点はなかったはずなのだが、まーく&じょーじ君とコンサートに出なければならないという成り行き上、このOFF会には欠かせない人になってしまった。
もう一人のメンバー、姫は僕の番組も知らなければ、ここへの参加者とは何の接点もないのだが、穏やかな表情でずーっと居てくれた。
34年も前、僕の番組の1コーナーのスター・グループだったハックルベリーフィン。こうして付き合いが今も続いていることを「幸せ」と呼ばずになんと呼べばいい?

ハイパパさんは東上線沿線の隣組になった。
尾崎亜美さんのファンサイトを展開している音楽通で、ご自身も楽器をこなすのだが、今回はウクレレに挑戦してくれた。
曲は僕が東宝映画のある作品に書いた『愛よこんにちは』。
オリジナルは坂崎、桜井の「アルフィー」コンビがまだ高見沢君の居ない「コンフィデンス」時代のモノ。
映画はお蔵入りししまい、この主題歌も陽の目を見なかった訳だがこの映画が公開されていたら「アルフィー」はなかったのかもねぇ。
のちに作曲の小室等さんがカバーし直して、多くの人に「愛? お前らはキリスト教の布教者かよ」と大不評を被った曲だが、ただ一人、音楽評論家の伊藤強さんだけが「こういう力強い歌が正面切って歌えるかどうかに音楽業界の明日はかかってるよねぇ」と評して下さった。

最後のステージが僕のそれこそ「模擬DJ」とも言うべき物だったのだが、演りながら、紙を持たずに台詞のようにやってみたら1テーマ1時間半くらいのステージが組めるかも、などと考えた。
まあ、この年齢では詩を覚えること自体が大変なんだろうが65歳でのステージデビューは無い話でもないんじゃ…。ヘッ!

二次会はまた今回もさとなおさん頼みの会場探し。
月の最後の土曜日にフリの客25人。まあ、普通なら「予約取れよ」と怒られる人数なのだが、今回も前回と同じ店になんなくOKが取れて、これがさとなおさんの神通力。
今や会社で重責を担って土曜日にも仕事が待っている売れっ子に何の迷いもなく二次会の店探しを任せている僕ら。いつも申し訳ないねぇ。

二次会は北九州からのアイナプーさんがお隣。
この方だけが単に『アメリカン・アイドル』好きでやって来てくれた奇特なお方。
「かぜさんをこんなに慕ってやって来た人たちの中でアタシ全然場違い。かぜさんがそういう立場の人だって知らなかったし」と本人の認識通り、違和感バリバリ。
僕は自己紹介の前からこの人がアイナプーさんであることにひと目で気づいた。
だが、海外のテレビ番組について僕が何でも喋れるのは現在この人だけ。
この人はとてもその方面に詳しいし、見るべきところをキチンと押さえてるので話がとても面白いのだ。
当然、僕にとっては二次会もまたとても楽しいものでした。

「生きてて良かったなぁ」はオーバーにしても「この歳まで生きてたのでこんな楽しい時間に出会えた」とは言えると思う。
僕は自分で思うよりずーっと、「ツイてるヤツ」なんだろうと思う。
昨日は、自分自身が心を強く持って楽しく生きていようと思うとどうやら本当に楽しさはやって来てくれるような気がしてきた。
参加して下さった皆さん、幸せな一日を本当にありがとう。
今回書き出した皆さんの名前に漏れはないかなぁ。
またお会いできる日までお元気で。

2009年2月26日木曜日

ドモアリガット ミスタロバット ドモドモ

昨日出会った嘘のようだが本当の話

大手電化製品量販店にて

「ケータイの電池が欲しいんですが」
「バッテリーでございますね?」
「ウン、電池が欲しいんだ」
「あのー、バッテリーならございますが」
「あるの? どこ?」
彼女はもう一度、僕に念を押すように言った。
「バッテリーでよろしいンでしたらご案内出来ますが!」
その口調は明らかに不機嫌になっていた。
僕は素直な老人なので
「ハイ、お願いします」
と大人しく言った。

さて、あんなに「バッテリー」に拘った彼女だったが、一分程待たされたあげく、ドコモ系の「バッテリー」そのものをこの店では扱っていないことが判った。
「電池」はないけど「バッテリー」ならあったんだろうか?
もはや訊く気も起きなかった。

結果としては、残念ながら特殊なタイプなのでショップにも取り置きがなく、どこか近くの店にご注文下さいとのことだった。
なんか運の無い一日でしたね。

ちなみに僕のケータイのトリセツには「電池」「電池パック」と書かれているんだけどね。
しつこくてゴメンねゴメンね~!

2009年2月23日月曜日

100%SO…かもね

アカデミー賞の結果

中継が始まって程なく書いた日記に『Boy from OZ』とタイトルした。
単純にヒュー・ジャックマンのトニー賞受賞作のタイトルのつもりだったのだが、主演男優賞は『ミルク』のショーン・ペンだった。

ショーン・ペンが演じているのはゲイであることをカミングアウトし、後に暗殺されたサンフランシスコ市長ハーヴェイ・ミルク氏である。
つまり、『Boy from OZ』に複数形の「S」を付けて『Boys from OZ』とすればミルク氏もその中に入る。

「OZ」は『虹の彼方に』ある国だ。
「虹」はレインボー。
「レインボー・カラー」と言えばそのまま「ゲイ」を象徴する色。
『虹の彼方に』はゲイの国に行くことを夢見る悲しい歌だ、という解釈があって、この歌を、夢見る少女のようには歌わない歌い方、というのもある。

ジャズ・ナンバー『私の青空』を「家路を辿れば楽しい我が家」風に歌わず、あの陰鬱な声でまんま歌って、見事に帰宅拒否症の熟年親父ソングにしてしまったのは高田渡さんだが、オズの国から来た男の子たちが歌う『虹の彼方に』の解釈と高田渡的『私の青空』は発想に共通点があると思う。

ショーン・ペンの受賞の時、『ミルク』の脚本家が瞳を潤ませている姿がインサートされたが、ひどく感動的だった。

日本映画『おくりびと』が外国語映画賞を獲った。
バラエティ畑の放送作家小山薫堂さんのホンだ。
快挙である。
バラエティの達人たちの映画界進出成功例では『踊る大捜査線』の君塚良一さんがいるが、こういう快挙は後に続く放送作家たちにイイ刺激になるはずだ。
青木研次さんの『独立少年合唱団』も心に残る。
(ま、青木さんはドキュメント畑だが)
彼らは放送の世界に生きる後輩達に希望をもたらしてくれた。
彼らのような優れた才能達が放送というメディアを支えているのをテレビは忘れて欲しくないと思う。

今、不況による予算削減で「構成作家の代わりなんて日本語が書ければディレクターでも務まるんじゃない?」とばかりにバッサバッサと斬り捨てられているが、僕の経験では僕の代わりにディレクターが書き始めた番組は一年で終わったけどね。
なるべく他のメディアに才能を持って行かれない方がイイと思うよ。

話は戻るがショーン・ペンの受賞スピーチはいかにもこの人らしい背筋のシャンとした物だった。
彼を1990年頃、そう、マドンナと結婚するかしたかの頃、僕は既に彼を気に入っていて、あるテレビのAD君の前で激賞したら、彼は今でも僕を尊敬してる、と言ってくれる。
彼は今や海外のミュージシャンドキュメントで賞を貰うほどのディレクターに成長しているので、僕の自慢の種なのだが、彼の言い分はこういうことだ。
「あんな時期にショーン・ペンを褒めた人なんていないじゃない」
目敏いのだけがオレの取り柄なんで…。

ペンがミッキー・ロークを讃えたのも、なんか泣けたな。

ケイト・ウィンスレットも主演賞を獲ったし、華やかで順当で、今年の授賞式は久しぶりに見ごたえがあった。
ジョリー=ピットが獲ればもっと華やかだったけどね。
二人に代表されるように美男美女で、興行力もあって、しかも上手い俳優が今年は沢山いて、これがアメリカの底力。
ここではあのイカしたモックンでさえ地味に見えてしまうんだからなぁ。

あ、そろそろ仕事仕事。
声を大にして言おう。
日本映画の才能達に、「おめでとう!」と、心から。

Boy from OZ

今日は予定がいっぱいなのにアカデミー賞授賞式を見始めてしまった。

歌って踊れて芝居が出来て、今世界で「最もセクシーな男」(2008年『ピープル』誌選出)ヒュー・ジャックマンが司会。最初っからその持っている能力を全部見せてしまった。スゲエ! 感動して泣いちまったヨ。

僕はヒュー・ジャックマンを一昨年の暮れあたりから取り上げていた。
先見の明に驚いている。ヘッヘツヘッ。(オードリー春日か!)
『X-MEN』のウルヴァリンで注目した。
こういう変身SF異能力者物は僕が勧めてもみんな関心を持ってくれないのだが、「他人と違う」悩みは人間誰にも共通した物。変身SF物なんて、と遠ざけずに、平たく解釈して自分に近づけて見ればおのずとその真意が見えてくる。
狼男なんて役をキチンと出来る役者に力の無い訳がないので、ヒュー・ジャックマンのこの活躍は、まあ、当然、なワケだ。
彼のミュージカル『ボーイ・フロム・オズ』、見てみたかったなあ。トニー賞受賞作らしい。
ブロードウェイを舞台にしたゲイ物(いわば内幕モノ?)らしいのだが「他人と違う」資質というテーマは『X-MEN』と通底する。

『レスラー』のミッキー・ロークも僕が一昨年から再評価に入っていた人。
06年の『ドミノ』でのワイルドな賞金稼ぎ役は出色だった。
「ねこパンチ」の汚名を払拭してこれで完全復活だなと感じていた。嬉しい。

ケイト・ウィンスレットもとうとう来たね。ケイト・ブランシェットより僕はこっち、と書いたのはつい最近のことだったと思う。
『愛を読む人』。
ゴールデン・グローブ賞では主演・助演の両賞を一人で獲ってしまったがオスカーではどうか?

この人たちをせっせと取り上げていた僕の唯一の執筆番組『バックグラウンドミュージック』が来月いっぱいで終わる。
残念で悔しくもあるが、僕の勘はこの授賞式を見ていてもまだそんなに衰えていないと思うので、ちょっと勿体ない気はするけどね。

さて、早くも日本人が受賞したぞ。加藤久仁生さん。短編アニメ賞『つみきのいえ』。
嬉しい嬉しい。
『おくりびと』はどうかな。期待してるんだ。

でも、見続けてないで早く自分の仕事しなくちゃね。

なんとヒューがビヨンセとミュージカルのヒット・ナンバーを歌い踊って見せている。
なんて今年は豪勢な司会なんだ。

それに比べて先週の「日本アカデミー賞」…。uuuuum…!!!

2009年1月5日月曜日

どうにかなるさ

世間は仕事始めらしいがどうもその気が起きない。
締め切りは明日の夜なのでなんか気持ちが緩い。

『ビッグコミックオリジナル』1月20日号でも読もうかと駅の売店に行ってみた。だが残念ながら今日はお休み。
といっても実はこのキオスクの営業日が僕にはまだ把握できていない。
つまり、やってたり、やってなかったり、ラジバンダリだ。
で、実は週刊誌や漫画誌を売ってるのかどうかも知らない。
売ってたような気がしたので行ってみただけ。
てことは自転車で実家近くまで行ってTSUTAYAの中の書店で買わないといけないのだよねぇ。

でも、この町は駅の周りが一番高い位置にあるので、行くのは良いけど帰りは息が切れる。
今日は面倒臭いから止めた。
行ける元気があったら仕事してる。早く電動自転車買わなくちゃ。

なので録画した映画のダビングとDVDケース作りに一日を費やしてしまった。
山口百恵主演映画全13作とか、吉永小百合版と原節子版の『青い山脈』、岩下志麻版『古都』『雪国』『五辨の椿』、高峰秀子版『浮雲』『無法松の一生』、『シャイニング』『バスを待ちながら』『ビフォア・サンセット』『やわらかい手』『アメリカ映画音楽Best100』『海外ドラマ60年史』などなど。
楽しかったけどさすがに疲れた。
『ゴースト~天国からのささやき』『Low & Order 犯罪捜査官』2週分、アニメ『モンスター・ハウス』『エリザベス Ⅰ 愛と陰謀の王宮』前後編など見てこれから寝る。
そんな、勤勉なんだか自堕落なんだか判らない本日の店主である。

2009年1月3日土曜日

American Friday Night

FOX-TV『アメリカン・アイドル』第5シーズン(2006年)のファイナリストの一人だったバッキー・コビントンBucky Covington(写真・右)の歌。
アメリカの平和な金曜日の、ごくごく日常的な風景を綴った軽快なナンバーだ。

さて、気がついたらCDの棚にテレビ『アメリカン・アイドル』の歴代ファイナリスト達のCDが溜まっていた。今日はそれをまとめて紹介させて下さい。

さて、バッキー・コビントンははたしかノース・カロライナ辺りの出身で、番組の中では田舎者の扱い。「オラの町ではヨォ」といった感じに翻訳されていた。
喋り方は口跡が悪いと思ったが性格の良さ気な青年で、僕は応援していたが、ファイナルに入ると割と早い段階で消えた。

そのバッキーのファースト・アルバムが昨年暮れに出た『bucky covington』(Lebel:Lyric Street)で、カントリー・チャートでは1位になった。 シングルカットされた『I'll Waik』も同チャートの6位になっている。
全体にカントリー・ファンには好まれる仕上がりだと思うが、僕の耳に残るとは言い難かった。ただ、好感の持てる仕上がりなのでどこか捨てがたいのも事実なのだが…。

同じく第5シーズンのファイナリストでバッキーの翌週に脱落した記憶のあるのがエース・ヤングAce Young(写真・左)だ。
ファースト・アルバムは昨年夏の『Ace Young』(DESTON/FONTANA)でビルボード160位。このアルバムに含まれていないシングル『Out Here Grindin』がHipHopのAir Playで5位を獲得している。
エースも田舎町の出身だがご覧の通り、く美形の、それも双子の弟なので売り方次第では面白い存在になると思ったが、クィーンのボーカルに嫌われてまともなレッスンが受けられず、脱落した。
エースは編曲しすぎて嫌われたのだが、同じく翌シーズン、自分の名曲『禁じられた愛』をブレイク・ルイスに編曲され過ぎたためにイヤな顔をしながらも熱心にレッスンしてくれたボン・ジョヴィは器が大きいと思ったね。
エースのこのデビュー・アルバムはどこかヘソのない感じの曲が並んでいる。
もう少し聞き込んでみないと僕には良いところが発見できないかもしれない。


クリス・ドートリー(改めドートリー DAUGHTRY 写真・右)はエースが落ちた週に、逆にクイーンのボーカルに大絶賛された。
第5シーズン第4位のロック歌手で、5人組のバンド「ドートリー」として出したデビュー・アルバムは2007年度、アメリカで450万枚を売る大ヒットとなって、グラミーの最優秀ロックアルバム賞の候補にもなった。
ひと声発した瞬間に「ウメェ!」と舌を巻くアマチュアで、番組に出てきたときはまだ田舎町の電気店かなんかのカスタマー・サービスの仕事をしていた。
子持ちの女性と結婚して歌い手の夢は諦めかけていたのだが、その健気な女房の後押しで意を決して応募した。
オーディションでひと声出した時、「お、早くも優勝戦への進出者が見つかっちゃったね」とテレビの前の誰もが思ったと思う。
それくらい力量は圧倒的で当然、すんなりと勝ち上がったのだが、なぜか4位に沈んだ。
視聴者の気まぐれで4位になってしまったその瞬間、本人も審査員も、視聴者の多くも、その結果が受け入れられなかったと思う。
納得行かぬ思いをぶつけたデビュー・アルバムは『HOME』という名曲の入った『DAUGHTRY』(Label:RCA)に結実して、アルバム・チャートの1位を獲得。
現在91 週経った今もHot200にインしている。このアルバムは聴く人の脳天を直撃してくる、間違いなく名盤なのだが、僕の携帯プレーヤーからは最近姿を消した。
力の入った歌唱なので、持って歩くにはちょっと疲れるのだ。

ドートリーが4位に沈んだとき、3位の座を争ったのがエリオット・ヤミン Elliott Yamin(写真・左)だ。
ヤミンは毎週、ワーストに名を連ねて、やっと勝ち進んでいる状態だったが、何故か不思議な底力が感じられた。
若年性糖尿病を患う身だったが、優しげな言動に視聴者は肩入れした。
このシーズンの1位テイラー・ヒックスと2位のキャサリン・マクフィーは間違いナシの実力者だったが、僕には心を寄せられる材料がなかった。この二人と競わされたらヤミンは3位でしかあり得ず、結果もその通りになって、ヤミンはそのまま忘れられたかに見えた。
事実、音楽業界から彼に食指がのびた形跡はなく、彼はインディーズ・レーベルHickory Recordsからアルバム『ELLIOTT YAMIN』でひっそりとデビューしていた。
ところがそのアルバムを待っていたファンは(僕も含めて)確実にいたのですね。
このデビュー・アルバムは2007年度のインディーズ・アルバム第1位を獲得。ビルボードHOT 200でも3位に入ると、シングルカットされた『Wait for You』も第5 位にチャート・イン。
日本でもヒットの兆しを見せ始めて、日本語のカバー・バージョンも発売された。
歌ったのはなんと紅白初出場を果たした会社員歌手・木山裕策さん。悪性腫瘍に打ち勝って紅白に出た歌手だというのは大晦日の『紅白』で初めて知ったのだけど、カバーを出したのが彼なのは知っていた。
たしかに日本語にしたくなる曲なのですよね。木山さんなら尚更、の思いがあるかもしれない。

実は僕は、このデビュー・アルバムには最初、さしたる興味をそそられなかったのだけど、去年一年、携帯プレイヤーで聞き続けていたら、全体にとても良い仕上がりなのですね。
特に一曲目の『MOVIN' ON』の入りが軽快でなんだか心地よく、『Wait for You』『One Word』『You are the One』という流れで確実にこの人の世界が出来ていることが解る。
スキャットが安易に使われている曲があって、そこがちょっと安いのだが、聞き込んで行く内に手放せない一枚になってしまい、本選同様、僕の携帯プレイヤーの中でもヤミンがドートリーに取って代わってしまったという訳だ。

彼のインディーズ人気を無視できなくなった『アメリカン・アイドル』は2008年のチャリティ・ウィークの際、彼をアフリカに送った。
彼には格別なタレント性は備わっていないので、アフリカ・レポートにも期待できなかったのだけど、彼が訪れたある村で、その朝一人の子供が生まれた。
母親はその日、アメリカから人気歌手が来るというので記念に子供を「エリオット」と名付けてしまった。ヤミンはそれを聞いた途端、感動して涙を流してしまったのだが、圧倒的な力量もルックスも、タレント性にも恵まれていない彼が極めて優れているのはその人間的な優しさなのだと気づかされる一瞬だった。
つまり、彼の歌には人間に対する愛情がきめ細やかに歌い込まれている。
人の心の柔らかな部分にそっと触れてきて、優しい気分にさせてくれる。
すぐに飛びつける華やかさはないのだけれど、じんわりと心に染みてくるなんだかイイ感じの歌い手なんだ。


彼の歌といつも一緒に持ち歩いていたのが『アメリカン・アイドル』第6シーズン(2007年)の覇者ジョーダン・スパークスとわがブレイク・ルイスのデビュー・アルバムだ。

ジョーダン・スパークスJordin Sparks(写真・左)は本選を戦っている最中にめきめき上手くなった17歳で、なんだか良いところまで行きそう、とは思っていたが、力量的には3位が妥当だと僕には思えた。
ところが最後の最後で大ドンデン。
そのいきさつ予測は放送当時に書いたが、デビュー・アルバム『Jordin Sparks』(Label:JIVE)は彼女の若さと上手さが見事にミックスした上質な一枚となった。
デビュー・シングル『No Air』はビルボード58位止まりだったが、次の『Tattoo』を6位とした頃、『No Air』をデュエットしたクリス・ブラウンが大売れし始めて、それにつられてデビュー曲がまた動き出し、最高位2位まで上昇。確実に流れをモノにした。
3作目の『This is My Now』はファイナル用に番組が公募した際の優勝曲だったが、ファイナリストのジョーダンとブレイクにはこれが決定的な勝敗の分かれ目となった。
その想い出の曲を16位とし、デビュー・アルバムから4枚目のシング・カットとなった『One Step At a Time』も 5位。堂々たるウィナーぶりだ。
アルバムも10位まで上げてロングセラーとなったが、一年聞き込んでも飽きの来ない魅力に改めて驚いている。
春、舞い落ちる花びらがいつまでも素肌に軽やかにまとわりついている感じの、伸びやかな官能ボイスも心地よい。

1年丸々聞き続けて今なお飽きないのが第6シーズン準優勝のブレイク・ルイスBlake Lewis(写真・右)だ。
デビュー・アルバム『AUDIO DAY DREAM』(Label:Arista)についてはどなたの耳にもタコができるほど、書き、喋り、したが僕は今日も彼の歌声で一歩を踏み出す。
彼の歌を持って出るとなんだか気分がウキウキして、東京まで仕事に出かけるのも苦痛でない。雑踏の中を踊りながら駆け抜けて行きたくなる。
僕の有酸素運動を促進させて、僕の性格の中の明るい部分を刺激してくれる歌声なのだ。
僕がこのアルバムを可愛がれば可愛がるほど、歌が僕に身をすり寄せてくる。
可愛い雑種犬のようで、とても手放せない。
アルバムはビルボード初登場10位とまずまずで、2曲目のシングル『How Many Words』はダンスチャートの6位。
ここ数年のフィナリストの中ではセールス記録は上々とは言えず、次作アルバムのニュースも見あたらないが、誰が何を言っても気にはならぬ。
僕はこの青年の個性が丸ごと好きだ。


『アメリカン・アイドル』第6シーズンのハリウッド予選の時、ブレイクとグループを組んだのがクリス・スライChris Sligh(写真・右)だ。
当時、僕が「マシュマロ・マンみたいなヤツ」と呼んでいたのが彼で、審査員の評価は非常に高く、番組も最初は「クリスのグルーブ」と呼んでいたほど、彼に肩入れしていた。
ところがそれ以上には面白いキャラにならず、ファイナルに入るとかなり早い段階で姿を消すことになった。
デビュー・アルバムは『CHRIS SLIGH/ RUNNING BACK TO YOU』(Label:brash)。
相変わらず上手いと思うが、なんか、それ以上ではない。
アルバムはビルボード200でランク190位。
もう少し聞き続けてみようとは思うが、僕にはまだ彼の魅力が見つけられないでいる。

第6シーズンには気に入ったキャラが何人かいたが、歌よりもその役者顔、ハッキリ言えば変質者顔が気に入ったのはフィル・ステイシーPhil Stacey(写真・左)だった。
なんだか一度見ると、しばらく見ていたい顔なのだ。吸引力のあるルックスをしている。
彼にも物語があって、オーディション当時は米軍海兵隊員。
オーディション当日が妻の出産予定日と重なってしまい、気が気でない風情で登場したが、合格を果たした。
順当に勝ち上がったが、僕は歌い手としては彼の中に突出した才能はついに見つけることが出来なかった。
ただ、課題がカントリー・ソングだった時に、それまで聞かせなかった非常に生き生きとした情感を歌に籠め、この人にはカントリー・シーンが似合うことを印象づけた。
案の定、デビューアルバム『Phil Stacey』はバッキーと同じ、カントリー・レーベルのLyric Streetからの発売となった。
ビルボード200では43位。カントリーチャートでは8位。シングル『If You Didn't Love Me』はカントリー・シングル28位。悪い出来ではないが、僕を夢中にはさせてくれない。
なんだろう? ルックスに比べて歌の彩りが淡すぎる、という感じか? 


 
昨年放送の第7シーズンのファイナリスト、デヴィッド・クックDavid Cook(写真・左)と天才少年デヴィッド・アーチュレタDavid Archuleta(写真・右)のデビュー・アルバムも昨年12月、相次いで発売になった。

クックのアルバム『DAVID COOK』(RCA)はビルボード2位、シングル『Light On』は8位。
番組の最終回で歌った『The Time of My Life』はダウンロードだけでHOT 100の3位になったが、このアルバムにもボーナス・トラックとして収録されている。

アーチュレタのアルバム『DAVID ARCHULETA』(JIVE)はビルボード2位、シングル『Crush』も2位を獲得している。
この2枚は暮れに手に入れたばかりなのでまだ聞き込んでいないが、曲として耳に残るのはアーチュレタの『クラッシュ』だ。
メロディにもちょっと面白い要素があって、なんかせっつく感じの追っかけ唱法にちょっとそそられるものがある。
全体によく仕上がっていて、天才少年と呼ばれるゆえんはすぐに解るのだが、やはり17歳。
表現方法にまだまだ研究の余地があって喰い足り無さもある。
でも、ジョナス・ブラザースみたいなポップなナンバーを歌わせたら、断然上手いと思うがなぁ。
まあ、バラードが歌える歌手として「将来に期待」とか、この時点で僕が言っても、彼のCDが出る度にずーっと買い続けてあげるかどうかは保証し切れないしなぁ。

クックは上手いと思う。アルバムもこれ一枚を聴くだけなら良い出来と太鼓判が押せる。
ただ、ドートリーとヤミンを聞いた耳には格別な新しさは感じられない。
聞き込んでいないので、新しさ以上の別の魅力もまだ僕にはまだ見つかっていない。
これもまたしばらく聞いてみなければなるまい。

ちなみに第6シーズンで惜しくも3位となったメリンダ・トゥーリットルのアルバムは来月6日に発売予定らしい。
オーディション史上最高の歌声と評されたあの極上の声でどんなアルバムが出来上がったのか、今から楽しみだ。
それに来月末頃には第8シーズンが始まるのじゃないだろうか。
待ち遠しくてならないこの頃である。

閑話休題:
偶然にも夕べ放送の人気ドラマ『BONES』第3シーズンの#14は『アメリカン・アイドル殺人事件』。
なんとハンサムなジムのトレーナーで歌い手志望のトミー・サワーという男の役をエース・ヤングが演じていた。
台詞もあって、歌もハーフ分くらい聴かせるが冒頭で殺されてしまった。
おまけに同じカラオケ・パブの常連客で「ブロードウェイを夢見る男」役が第6シーズンのファイナリストで、バック・コーラスを職業としていたブランドン・ロジャース。
彼も早い段階で脱落したので、ドラマ的には役が軽く、歌以外の出番はナシだった。

2009年1月2日金曜日

私が生まれて育ったところ

野路由紀子の歌である。
1970 年頃、文化放送『走れ!歌謡曲』のADをしていてよく掛けた。

彼女の歌ったふるさとは「港のある町」だったが、私のふるさとは関東の海ナシ県の一つで山がちな村だ。中学一年の春、この村を去って以来、およそ縁のないふるさとだった。
「家庭縁」そのものが薄かったのだろうと思う。

ワケあって、その村に昨年10月、戻ってきた。
目下は安普請のアパート住まいをしている。なのですきま風がどこからか忍び込んでくる。
寒い。僕の身体には良い環境とは言い難いのだが、とにかく色んなコトを犠牲にして家族の近くに住むことにしたのだ。
どこかで「死ぬ準備」をしているような気もしている。だが、絶望的な気分はまだこれっぽっちもない。
ただ、これでイイのだ、という気はしている。

永らく住んでいなかったこの町は、ひどく使い勝手の悪い町になっていた。
僕のアパートは駅のすぐそばにあるのだが、駅の周りには商店街というモノがない。
多分、マイカー通勤が一般的になって、電車の利用客が減ったために、駅前商店街の存在理由が無くなったのだろう。
東京から近いとは言えない。
通勤帰りに夕食のための何かを買って帰るにはみんな帰宅時間が遅くなりすぎて、もともと、商店街そのものが盛っていなかった、という理由もある気がする。
夜になると駅前は真っ暗で、僕のアパートまではわずか3分だというのに歩道脇には街灯というモノがない。民家もまばらなので頼りにすべき灯りがない。
…そういう町。

大型量販店、スーパー、コンビニ、ファミレスの類は、昔、実家の田んぼがあった辺りに作られていて、ファミレスに至っては3~4店が半径100メートルくらいに密集していて、潰れるどころか、妙に客が入っている。

首都圏郊外の典型的な田舎町の作りになっている。
車で移動する人たちにとってはこういう町が便利なのだろう。

現金収入のなかった農家の人たちは、他人の作ったご飯を食べることこそが贅沢の象徴だから、好んでファミレスに集まる。
僕が実家を訪れるとごちそうを振る舞ってくれる感じでみんなでファミレスに行く。
行くと、大抵何家族かの顔見知りが客の中にいて、僕も頭を下げさせられる。
僕の町は平安時代からある古い村なので、今や商売なんかしている家はないのだが、屋号やその家が建っていた場所、あるいは大昔の地位で呼び合う。
「田中んチ」「畑中んチ」「紺屋んチ」「酒屋んチ」「鍛冶屋んチ」「機屋んチ」「谷津んチ」「峰んチ」…。
我が家は今でも「庄屋んチ」である。
勿論、その屋号に聞き覚えはあるのだが、もはや顔に見覚えがないので、僕にはそのつきあいが厄介で堪らない。
だが、母親が長い時間の中で築き育んだ関係を壊す訳には行かないので、精一杯の作り笑顔で挨拶を返す。

当初、我慢を覚悟したのはテレビの受信状態が良くないことだった。
僕の実家では超大型テレビがあるのに地上デジタル放送が受信できない。
アナログ放送もテレビ朝日とテレビ東京がおそろしく見難い。
今時、難視聴地域なんて大笑いだが、これで本当にデジタル化に突入する気なんだろうか? 多分、無理だと思う。

いやー、これには困ったね。テレビの仕事をしていてテレビが見られない地域に住んでるなんて笑えないベサ。
まあ、運の良いことに僕のアパートはナンとか受信できるようになったのだが、その環境を整えるのに2ヶ月かかった。
泣きたかったのはCS放送だ。
スカパーから人に来て貰って受信状態をチェックした貰ったら、どうアンテナを立てても凄く条件が悪いという。
僕はこのアパートに借りるにあたって約束した半年間の居住期限が過ぎたら、もう一度引越を敢行するつもりで、一旦はすべてを諦めかけた。

そしたら阿鬼羅君は「フレッツ光TVやケーブルTVやネットでスカバーを調べましたか?」
さとなおさんは「ダメですよ、TVライフを捨てちゃっちゃ。見られないなら別の場所に越すとか東京に戻ること考えなくちゃ」と忠告を…。

そうだよな。年を取るに従って、こうやって物分かり良く、少しずつ色んなコトを我慢し、諦めて、なるべくストレスの少ない人生に入っていこうとするんだよな。

そんなのオレらしくないべサ!

そこで、関係各方面に電話し始めた訳だが、「フレッツでスカパー」とケーブルは「サービスエリア外」。
サービス予定もネエそうだ。
「ひかりTV」は加入させたいんだかさせたくないんだか、妙に気のない応対。
おまけにこの辺の電気店はもう、否応なくデジタル対応に迫られるまで、顧客の新規開拓をする気なんて全くないらしく、アンテナをとにかく設置して貰いたい、と頼むとけんもほろろに受話器を置かれてしまう。
とにかく大した金にもならぬ面倒なことはしたくないらしいのだ。
そこで考えたのは遠くの電気店から出張してきて貰うコトだった。

このアパートに入って3日後に来てくれてBSケーブルを繋いでくれた青年は引越会社の下請け電気店の店員で埼玉の入り口とも言える川口から来てくれたのだが、とてもちゃんとしていた。
その彼にもう一度頼もうとしたのだが、今日から10日後くらいにしか行けないというのだね。
その声に煩わしさを厭う感じがちょっと混じっていたので、即座に諦めた。
この町と近すぎないくらいには遠い町の店。
遠くから来た人は無一文で帰るよりは多少の無理を聞いても仕事にして帰ろうとするはずだ。
そういう電気屋さんしか、この面倒に関わってくれない。僕はそう読んだ。

そんな店を探すために、この町にも出来ている超大型量販店の電気部を訪ねた。
やっぱり下請けの店を持っていて、担当の青年がちょっと遠い町から何日か後にやってきてくれるらしい。

翌日来てくれた青年は、案の定、受信状態を調べる前にBS・CS110度アンテナというのを既に車に積んでいた。

ただ、このアンテナで映るCSチャンネルは最初から41チャンネルしかなく、なのに、56チャンネルが選べるスカパーのパック料金と全く同額なのだ。なんか、ちょっと、ヤ。

つまり、このアンテナだとレギュラー視聴していた番組の中の何番組かは諦めなければならない。
ソレはイヤなので、CSの視聴をやめる、という選択肢もある訳だが、世界一好きな、と形容してもイイ『アメリカン・ダンスアイドル』や『アメリカン・アイドル』を見ずに日本のドラマなんかでお茶を濁して生きて行けるのだろうか?と考えたら結論はすぐに出た。

そんなこと、出来る訳がないではないか!

まあ、こうして録画環境まで整えるのにまた1ヶ月かかって、「最善」とは言えぬ「次善」策で気を鎮めることにしたのだが、私が生まれて育った所はこうしてみんなが少しずつ、色んなコトを諦め、我慢して暮らしてきた町なのだ。
こういうところで僕のような人間が「諦めない意志」を示すだけで、人々は迷惑そうな顔をする。
そういう町で、僕はこれから、まだ余生になんてしていられない人生を生きる。
そのこと自体が辛抱のいる作業なので、そういう日常に我慢できるかどうか判らないけれど、まあ、出来るだけおとなしく暮らしてみようと思う。

明日は親戚揃っての新年会である。
これまでは毎年欠席してきたが、こんな近くに住んでいては、そうもいかぬ。
ため息で始まった新年だが、絶望してはいない、と自分に言い聞かせて、今年を、そしてこれからの人生を始めてみようと思う。