2019年5月21日火曜日

5/26日の「かぜ博」は…

 5/26(日)の「かぜ博」は「LGBT映画を語る」なんだけど…

結構苦戦している。
作品数が予想以上に多くて、見直すのに時間がかかっている。
かなりの数の作品を見ていた、と思っていたのだが、語れるに足りるほどには細部を思い出せないものも多い。

昭和32年に丸山明宏という歌手を知った。『メケ・メケ』というシャンソンを歌っていて、「シスター・ボーイ」と呼ばれていた。男にしては顔立ちがキレイすぎて、眉毛を整えているのも不思議だった。
「一発屋」だと思っていたが、何年かして、『ヨイトマケの歌』で帰ってきた。感動した。
昭和34年の冬、初めて痴漢に遭った。
浅草に映画を見に行った帰り道。言問橋あたりから誰かにつけられている気はしていたのだが、三囲神社の石段を降りようとした時、突然、股間を掴まれて「君、オナニーって知ってる?  皇太子だってしてるんだよ」
皇太子の結婚が4/10と決まって日本中が沸き立っていた。
昭和39年頃、政治映画『野望の系列』(1962年作品)を新宿アートシアターで見た。
実際には『恋の売り込み』という歌で大ヒットを飛ばした少年歌手エディ・ホッジスがその映画に出ているので、どんな顔をしているのか見たかったのだ。日本では伊東ゆかりちゃんのカバーバージョンが大ヒットしていて、僕はエディ・ホッジスの顔を知らなかった。
役は大統領の息子かなんかの彩り程度で、顔は覚えられなかったが、僕はこの映画の中で初めて「ゲイ・バー」というモノの存在を知った。若手議員のドン・マーレーがいかがわしいバーの中に入ってゆくシーンに、アメリカにはスキャンダルになりかねないバーがあることを知ったのだ。ちなみに僕の住居の一階はバー「メトロ」で僕は高校一年頃から酒を飲んでるイカれた少年だったが、バーと言えば酒を飲む場所という以上の知識は無かった。
昭和42年頃、カルーセル麻紀という「おかま」が日劇ミュージック・ホールに出ていると評判になった。
本名・平原徹男。最初から公言していて、ずいぶん思い切りのいい人だな、と感心した。歌も上手く、ルックスも申し分なかったので(整形前のお粗末な顔も公開していた)、しばらくマスコミは「おかま芸能人」と言えば丸山明宏改め美輪明宏とカルーセル麻紀にしか出番はなかった。
「ゲイ」という言葉がまだ使われていなかったのとカルーセル麻紀が平気で「おかま」を連発するので、世間ではコメディ・リリーフとしての「おかま」をいつの間にか容認していた。
あれからおよそ60年弱。今でも日本では「ゲイ」にコメディ・リリーフ以上の役割は与えていないと思う。
美輪さんと麻紀さんは長い時間をかけて世間の常識と戦い続けてきた。
この10年、おネエタレント、女装タレントの台頭で援護射撃の態勢が整い、世の中は「ゲイ」「おネエ」という言葉で彼らを容認し、コメディ・リリーフとしてならテレビへの出演も許容するようになった。
だが、タレントとしての彼らは認めても、隣人としての「ゲイ」まで認めているとは限らない。
果敢な開拓者のいた「G」(ゲイ)でさえそうなのだから、「L」(レズビアン)「B」(バイセクシャル)「T」(トランスジェンダー)となると、まだまだ、常識を覆すには時間がかかるのだと思う。
 
日本では少女漫画の読者たちが「ボーイズ・ラブ」を早い時期に見つけているが、読者層の大半を占める女性たちが隣人としてのLGBTを認めているかどうかは判らない。ただ、日本の男たちより、女たちの方がLGBTについて広い視野を持っているのはたしかだと思う。
では、世界の映画ではLGBTはいつ頃から、どんな風に描かれてきたのだろう。

世界の映画が日本の常識を変えて来たことだけはたしかだと思う。
「かぜ先生たち、アメリカに影響された世代は外国映画の影響を異常に信じてるからな」
20代の若者たちは僕にそう言う。
何とでも言いなさい。こんなに世界中の映画が見られる国で、その幸せを享受しない、あるいは気づかない君たちは不幸だ。
「日本が一番優れてるのに」。
誰がそう教えたの? 特別講師のフジテレビのプロデューサー? あるいは現長期政権? フジテレビが視聴率の最下位になった今も僕にそう言う?
 
20世紀も終わりに近づいた頃から、 LGBT映画がまるでブームのように多数作られ、秀作も多い。
『ロングタイム・コンパニオン』 『フィラデルフィア』『ブロークバック・マウンテン』『ムーンライト』『きみの名前でぼくを呼んで』『ナチュラル・ウーマン』『ゴッド・アンド・モンスター』『ベント 堕ちた饗宴』『トランス・アメリカ』『モーリス』『アナザー・カントリー』『ブエノスアイレス』『マイ・ビューティフル・ランドレッド』『ヘドウック・アンド・アングリー・インチ』『リプリー』『キャロル』『噂の二人』『太陽がいっぱい』『キッズ・オールライト』『チョコレート・ドーナッツ』『ロッキー・ホラーショー MOVIE』『彼らが本気で編む時は』etc.
 
テレビ放映されて見た人も多いはずの映画だけでも50本以上。
どんな取捨選択をすればいいのか、ただいま、思案中。
今回は『性別が、ない インターセックス漫画家のクィアな日々』を撮った渡辺正悟監督にも最後に登場していただき、話に加わってもらうつもりです。

日時 2019年5月26日(日) 13時30分~15時30分(受付は13時より)
会場 日暮里プロモボックス! http://promo-box.jp/map.html
(日暮里駅東口駅前)
料金 1500円
定員 40名(満席になり次第締め切らせていただきます)
企画・主催  K+(担当 津布久)

お申し込みは kazesan713@gmail.com までメールにて、お名前、ご連絡先
電話番号をご記入のうえお申し込みください。折り返しご連絡差し上げます。

写真は『チョコレート・ドーナッツ』『ムーンライト』『プロークバック・マウンテン』『ナチュラル・ウーマン』『ボーイズ・ドント・クライ』『クライングゲーム』『ミルク』