2009年11月28日土曜日

11月のセレクト

今月はWILLさんのお便りをここに転載させていただきます。
昔なら飛びついてでも朗読させて貰う種類のお便りなんですが、今はこれを読みこなすテクが衰えております。
お便りはWILLさんの送ってくれたモノを僕の読み方で改行したり、区切ったりしていますので「原文のまま」ではなくなっています。ご承知下さい。

かぜさん今晩は! 寒くなってきました。
かぜさんとブレイク君とのひととき。読ませていただいては、いろいろ想像して愉しませてもらっております。
犬は、飼い主の横で、その心情を時折絶妙にくみ取ってくれます。我関せずの振る舞いが憎らしかったりもしますが。
とにかくそんな感性を、神様は彼らにお授けになったのかな。
自分にも昔親友以上の存在だったタロウがいました。 今回は、そのタロウも知っている親友の話です。


ハルオ、覚えてるかい。
五月の日曜。お前と行った有楽町のニッポン放送。
建物の割りには、妙にこじんまりとした入口。ここで待っていたら、誰かDJに会えるかもしれないと、半日ねばったよな。
結局誰にも会えぬまま、ガード下の立ち食いそばで、天ぷらうどんを食べて帰ってきただけだった。

ハルオ、覚えてるかい。
市川駅西口のレコード店。お前が買った、中村雅俊の「いつか街で会ったなら」。
俺が買った、風の「あの唄はもう唄わないのですか」。
12月。駅前では甘栗の香りがしていた。お前はダッフルコートを着ていた。

ハルオ、覚えてるかい。
かぐや姫todayの武道館の追加公演。三階席最上段の席だったよね。
帰りに吉野家の牛丼をお前におごってもらった。「並」だったよね。
あの年はコンサートに一緒に出かけた。夏には、こうせつのつま恋。秋には神田共立のかぐや姫のフィル厶コンサート。冬には渋谷公会堂での来年もよろしくコンサート。

ハルオ、覚えてるかい。
俺が北海道へと旅立つ日。神田の古本屋街で、倉本聰唯一の小説本「あなただけ今晩は」を探すのを、午前中から3時過ぎまでずっとつきあってくれたよな。
上野駅のホー厶で、「はつかり5号」に乗り込もうとした俺に、お前が手渡してくれた段ボールでこさえた小さな箱。
「何?」と俺が尋ねると「いいから持ってけよ」と箱を押し付けたお前。
「どうもな」「ああ」
あの時、あの瞬間、俺の中では確かに聴こえ始めてた。
風の「地平線の見える街」。
お前にも聴こえてなかったか。 走り始めた汽車の中で、その箱を開くと、手作りのデジタルの目覚ましが出てきた。
きっと月刊ラジオ技術なんかを見ながら、お前が必死にこさえてくれたんだな。
お前の下手な字で記しされた説明書を読んでいると涙が止まらなくなった。

ハルオ、覚えてるかい。
お前と最後に会ったのは、市川駅東口の食堂街。
俺が北海道にもどってから二度目のGWの頃。
ショートホープをチェーンスモーキングしていた俺に、お前は、「吸い過ぎだぞ」って忠告してくれたよな。
忠告を聞き入れなかったバチは、15年前に当たった。
あれから、会えなくなってもう30年近く経とうとしている。
ずっと分からないままだった会えない理由も、去年やっと知ることができた。

今年はね、ハルオ。旅行運というものがあるのなら、間違いなくソレに俺は恵まれた年だったよ。
かぜ耕士。倉本聰というあの頃からの神様二人に、自分が中高生ならぬ中高年になって初めて会えたんだ。声をかけることができたんだ。声をかけて頂いたんだ。
いつかそんな日が来たらと、35年ずっと思い続けてきた人たちから。
本当に忘れられない年になったよ。

ハルオ。そうして想い続けてゆけば、あと5年同じように想い続けてゆけば、お前にも会わせてもらえるのかな。

ハルオ。来月市川に行くよ。今年の旅行運にまかせて。
また誰かと再会できるかもな。

ハルオ。お互い口に出したことはなかったけれど、俺たち二人、あの頃好きだった子も、実は同じだったりして・・・ ハルオ。
好きだったその子よりも ハルオ。俺はお前に会いたいんだ。

ハルオ。聴こえてるかい?

WILL

2009年11月22日日曜日

Blake's Drill Book

その① Blake みたび脱走

Blakeに脱走グセがついてしまったようだ。
原因は多分、僕の妹(上の妹)にある。
僕が仕事で留守をする時、妹にBlakeの散歩を頼んだのが始まりだ。
彼女は僕よりずっと遠くまで連れて行ってくれる。
なのでBlakeは彼女との散歩を待ち焦がれるようになり、散歩が終わって彼女が家に戻ろうとすると甘え鳴きするようになった。
それが第1回目の逃走劇となった。
彼用に作った柵を跳び越えたのだ。
成功に味を占めた彼はその後Jumpに精進するようになり、散歩の途中でもしばしば猫のように飛び上がるようになった。
僕の肩くらいある塀にも簡単に飛び乗れるようになった。

昨日の朝は妹が自分の家の犬を散歩をさせがてら我が家に寄った。
Blakeは彼女の家の犬にも親愛の情を示すのだが、その犬(チーズ君)はBlakeと友達になりたがっていない。
むしろ、自分の保護者がよその家の犬まで散歩させていることを苦々しく思っている。
だが、Blakeはそんなことにはお構いなしに妹に甘えた声を出し続けるのだ。
ちなみに以前、彼が飼われていた家は大家族で、多分、日中はおばあさんと何人もの子供たちがいた。
なので、基本的にBlakeは年寄りと子供には吠えない。
最近は家のそばを通る人たちを認識するようになって、皆さんが「最近、私には吠えないのよ。覚えてくれたんだねぇ。利口そうな犬だと思ってたよ」などと僕に話しかけてくださる。
ただ、中年のおばさんはあまり好きでないらしく、話しかけられると鋭くふた声三声吠えて、あとは知らん顔をする。
なついているのは多分、僕の二人の妹にだけだ。

で、昨日の朝は妹の姿が隠れた途端に、後を追おうと思い切りダッシュした。
その時、どういう加減か首輪から紐の金具が外れ、身軽になったBlakeは妹を追い越してしまい、どうもその瞬間、スイッチが逃走モードに切り替わってしまったようなのだな。
運良く、昨日も妹の息子が休みだったことから応援を頼み、3人体制でBlake捜索に乗り出した。
妹は自分の連れ出す散歩コースを探し、僕は僕のコースを探した。

Blakeが用を足した後の砂掛け行動で造成地の砂全部を掻き出してしまうのではないかと僕が恐れている場所はまだ健在である。
まあ、土全部掻き出すには死ぬまでかかるわナ、などと馬鹿なことを思いつつ歩いたが姿が見えない。
ちょっと焦りが募った。
ただし、それ以上探索場所も思い当たらないので一旦家に戻ろうと路地にも似た坂道を上りかけた時だ。

家と家との植木の陰に僕を見ている彼がいた。
「おお、Blake、そこにいたのか。ハイ、こっちにおいで」
手招きすると素直に駈けてきて、僕の足下でゴロンと仰向けになった。
しきりに足で空を引っ掻き、僕に撫でろと要求する。
褒めてやるわけにもいかないのでそのまま胸に抱き家に戻った。
その間の甘えようと言ったら…。
罪の意識はどうやら微塵もない。
多分、自由に駆け回りたかっただけで逃げる気はなかったのだ、と思うわせるに十分だった。
うーん、なんだかすっかり彼に籠絡されておるのかも知れん。

僕は昔からマニュアルを読むのが好きでないので全部我流で始めてしまう。
間違いは多いんだけど、その内、勘が働くようになるものだからずっとそういう姿勢でやってきた。
ただ、忠告は聞く人間なのでBlakeについての皆さんからのアドヴァイスは大層参考にさせていただいている。
で、理解できたことがひとつ。
それは僕がソファーから声をかけた時、彼が吠える理由。
これは仰せの通り、「そんなところに座っている暇があるなら、僕を可愛がれ!」という要求でした。
ソファからでなくとも僕が暇そうにしているとずーっと僕を見ている彼の視線がある。
「ン、何か用か?」
訊ねた瞬間、彼は低く身構えて僕に飛びかかる体勢になって吠える。
そばに寄ろうと一歩踏み出すと。彼は飛びかかる体勢からクルリと地面にひっくり返って腹を見せ、撫でろと要求する。
飛びかかる体勢から勢いよく寝転ぶので時々地面に激しく頭をぶつける。
そんな時は自分で自分に怒っているのか、激しく顔を前足でこする。
僕には失敗に照れている仕草にしか見えないので思わず笑ってしまうのだが、それに気づくと彼は歯を剥き、僕に噛みつく仕種をする。
ただし、噛むことはなくそのまま僕の手を舐め始めるわけだが…。
せいぜい生まれて一年強なので、やたらな甘えや失敗の多さは当然なんじゃないかな、と思ったり…。
甘いッすか?

こんな一部始終を30日から来てくれるというインストラクターはどう評価するのかな?
どちらにしろ甘えさせ過ぎだと怒られるのは覚悟してるんだけど、これが僕の愛し方なので、まあ、僕と犬とを上手に躾けてもらえればなぁ、とかすかな期待しているこの頃なのだ。

2009年11月17日火曜日

ピロリの除菌

先週金曜の夜からピロリ菌除去のための薬を服んでいる。
朝夕6種ずつの薬を1週間服むのだが、服み始めたら1回も服用し忘れてはいけない。
僕は毎朝10種の薬を服んでいて、その中のひとつは除菌薬の中にも含まれているので1週間だけはそれをやめて全15種(食前1種+食後8+6種)を服むんである。
そんなわけでこの頃は毎朝、薬によって生きている自分を実感している。

もう一つの注意点は薬の弊害としてどうもこの1週間は「軟便」になるんですね。
僕は普段から便秘気味なので昔は軟便になる薬を処方して貰っていたことがある。
なので軟便になるくらいの方が楽だったりするので、別にその注意を気にしていなかったんですね。
ところが、注意されたことはちゃんと注意しないといけないんですね。

今朝のことです。
僕は毎食前にも血糖値を上げない薬を服むんですが、この薬はおならが出やすくなるんです。
つまり、僕はいつでもおならをしている状態でもあるんですが、今朝、ちょっと油断していつものように平気でおならをしたら、なんか肛門の周りが暖かいのです。
ン? しくじったか? と思って急いでトイレに入りましたのさ。
まあ、情けないですねぇ。いわゆるお漏らしですよ。
なので、ピロリ除菌をこれからする機会があったら、是非、注意してね、という話でした。

今日のBlakeですが、雨なので玄関の中に入れてます。
小屋の中に入って寝ています。
僕は彼に気を遣って2階に上る時、忍び足で上ります。
下りる時も忍び足なんですが、彼はどうも気づいてしまうんですね。
常に玄関の鍵の下で外に出る用意をして待っています。
イヤ、上り下りの度にコレなので、なるべく上下階の移動には間隔を置いているんですが、下りると必ず待っているので、頭のひとつも撫でずにはいられない。
外に出たい、と手を噛むのだが(勿論、軽~く)、今日は雨だしネェ。本人もそれを知っていて、玄関の戸を開けた途端、ゴロンとお腹を見せて撫でろと要求するだけだしネェ。
まあ、今朝は降り出さない内に散歩も済ませているから一日放っておいてもイイでしょ?
彼が納得するかどうかは別としてネ。

余談だが今、『徹子の部屋』に大女優Oが出ている。
昔、テレビ朝日の喫茶室で打ち合わせのために時間待ちをしていたら、いかにもの業界人に「どけ!」と席を立たされたことがある。
その失礼な物言いに文句を言っても良かったが、打ち合わせ前にそれ以上気分の悪い思いをしたくなかったので席を譲った。そこに現れたのが件の大女優。
売り物の大きな目の白目の部分がなぜかヤケに黄色かったのだけを覚えている。
男は彼のマネージャーらしかった。

で、以後、Oさんに好感情が抱けないままここまできてしまった。
「彼女が悪かった訳じゃないのに」とは思うんだけど、駄目。
今日も話の内容は充実していたのになぜか駄目。
基本的に業界人しかいないテレビ局の喫茶室(しかもテレビ朝日のそこはとても狭い)でのあの振る舞いはOさんの評価に影響すると思うけどな。現にこうして彼女の業績が正しく評価できなくなっちゃった僕のような人間もいるんだしネ。

俳優やタレントは周りにいいスタッフを持たなきゃ駄目だとつくづく思う午後でした。

※実名をイニシャルに訂正(11月18日朝9:30)。
※「軟便」でなく今朝などはもう下痢。
 「旅行などに出る予定があるようなら時期を改めて1週間続けて下さい」とアドヴァイスされた理由が判りました。

2009年11月14日土曜日

新型インフルエンザ・ワクチン

今日は月一回の定期検診。
今晩からピロリ菌除去用の薬を服み始める。
見事に除菌できたかどうかは半年後に判るのだそうだ。

ところで新インフルエンザのワクチンだが、今月も接種してもらえなかった。
「接種が始まった」はどうやらごく一部、主に地方での話らしく、僕なんぞは「接種を急いでもよい対象」ではあるが、早くて来月、まあ、年明けくらいと考えなくてはならないらしい。
ハッキリ言って、宝くじなどにはちっとも当たらないくせに、病気などにはよく当たる私である。
怖くて怖くて人混みに出られないのでどんどん社会から遠ざかっている昨今だ。
学生なんかマスクしてる奴全然いないしね。
接種を待ってる間に罹患しちゃっても誰も責任取ってくれないンでしょ。

Blakeは僕が出かけそうな日は朝から恨めしそうな顔をする。
朝のゴミを捨てに行く時でさえ、置いて行くなとばかりに甘え鳴きする奴が、出支度の気配だけで、もう、ウンともスンとも言わなくなる。
可哀想なので裏の勝手口から出てくるのだが、なんか「行ってきます」と言って出てこられないことが申し訳なくなってしまう。

さあ、早く帰ってやろう。
現在「川越市」。あと35分の辛抱だ。

2009年11月12日木曜日

Angry Blake

まだ完全には通じ合っていないのでBlakeとの間にはいくつかの齟齬がある。
何を要求しているのかが解らないことはよくあるのだが、一番解らないのは「怒り方」。
リビングに入り込んだBlakeに僕がソファーに座って声をかけた時、とシチュエーションは決まっている。
かけた声が「そろそろご飯食べるか?」でも「何を探してるんだ?」でも、怒り方が同じなのだ。
つまり、声のトーンからして僕が怒っているのでないことは解ると思うのだが、彼は何故か目を吊り上げて吠える。
その吠え方は誰かを威嚇している時とは明らかに違うので、僕にだけ向けている怒りなのだが、彼が何故怒るのか僕にはどうしても解らない。
ちなみにそんな時、僕が近づくと彼は部屋から猛然と飛び出し、また、猛然と飛び込んできてけたたましく吠える。
僕が同じように吠えながら彼に近づくと、彼はごろんと仰向けになって腹を見せ、しきりに撫でることを要求する。既に甘えている。
なんだか解らン。
インストラクターの方は今月末日にやって来てくれることになった。
一回4,000円。ま、仕方ないのかな。

2009年11月8日日曜日

Blake リアル大脱走

庭で遊ばせる時は鎖につながないことにしていた。
今日は妹に食料品のスーパーに連れて行ってもらったのだが、その際も繋がないまま出かけた。
戻った時も大人しく柵の中にいた。
僕が食料品の整理をしようとした時、さっきまで甘え泣きしていた声が消えた。
勝手口の戸を開けて庭を覗くとBlakeの姿がない。
妹が家に戻る前に散歩に連れて行ってくれたのかと思ったら大通りの横断歩道あたりから大声で叫ぶ声が聞こえてきた。
「Blake!Blake!」
「兄ちゃん、Blakeが逃げちゃったよ!轢かれちゃうヨ!」
慌てて駆けつけると彼は通りを渡っている。今日は日曜で交通量が多い。
Blakeは横断歩道をやっと渡った妹に取り押さえられた。というより車二台に挟まれて立ち往生してしまったところを妹に捕まえられた、というのが正しい。
どうも一昨日、昨日、今朝、と、三日続きで散歩に連れ出してくれた妹になついてしまい、彼女と夕方の散歩がしたかったようなのだな。彼女に捕まった時、抵抗する気配もないのだから。
本人に悪気はないので何も無かったかのような顔で妹の腕に抱かれて帰ってきたが、途中で僕が抱き手を代わると急にショボンとして叱られると思ったのかみずから柵の中に入った。
その後は身を擦り寄せて甘え続ける。
心を鬼にして頭の一つも叩こうと思ったが、まあ、そんなことは僕にはできないのだな。
ただ、彼の寂しさは判っているけど、結果として彼は鎖に繋がれることをみずから選択したことになる。
こういう愛犬家の風上にも置けぬ(と思われる)放任主義の結果がどうなるのか判らないけど、彼と一緒にひとつずつハードルをクリアして、お互いにとって暮らしやすい形を模索して行くしかないのだろう。
手間はかかるけど、それでも仕方ないと思っている。

ちなみに一昨日はTsubuさんの仲立ちでコラアケゲン君が定期的にライヴ活動できそうな小屋を交渉しに出かけていた。

昨日は逗子まで海に沈む夕日を見に出かけた。
元・『スポーツニッポン』文化部長で、敬愛する音楽評論家・小西良太郎さんが逗子に引っ越されて、かつてのスポニチの書き手たちに「一度夕焼けを見に来い」と声がかかっていた。

僕は小西さんと過ごす時間がとても好きだ。
嵐山・逗子およそ3時間。でも、何時間かけても会いに行きたい人なのだ。
その独特の語り口が好きだ。
若かったあの頃に素直に戻ってゆける気がする。

ひばりさんや阿久さん、なかにしさんや星野さん、船村さんなどなどなど音楽界の超大物たちに今も昔も大切にされているこの評論家は、今や中途半端な物書きとして一生を終えそうな僕らかつてのスポニチの書き手をこよなく愛してくださる。
ここまで物書きとして生き延びたんだから大したモンだと自分を褒めてやりゃあイイじゃあねえか。
そう言って折角戴いたチャンスを上手にモノにできなかった僕らをかばってくれる。

小西さんの新しいお住まいから眺める逗子の夕焼けはバラ色で、レドンドの怒ったように真っ赤な日暮れより何倍か美しかった。

Blakeは今、自分の小屋に戻った。

2009年11月7日土曜日

Blake先生

5日前からBlakeの右前足がおかしくなってしまった。
妹は「甘えてるンだ」と言うのだが心配なので病院に行った。
僕が見てない時や静止状態の時でも片足をあげているから、甘えているのばかりではないと思う。
抗生物質をもらって服ませているくらいで現在格別な手当はしていない。
片足状態はひどく寒い日から始まったので、噛まれた傷痕が疼いているのだろう。

散歩の際の穴掘り砂掛けはさらに勢いがついてしまって、宅地造成地の砂を全部道路に掻き出してしまいそうなことになっている。
なんだかやけになっているような気もする。
小便とは関係なく後足を蹴っているので爪が伸びてかゆいのかも…などと思ってみたがそれほど伸びているわけではない。
後足だけを動かすのではなく前足でも土を掘っている形になるので、時々前足と後ろ足の動きがバラバラになってしまって、右の前後を同時に蹴ったために倒れてしまって、照れくさいのかチラッと僕を盗み見たり、勢い余って空足を踏んでしまってドテッと倒れたり、オソマツ芸の見せ放題で毎朝笑いが止まらない。
散歩映像をビデオに収めて上映会がしたいくらい可笑しい。

昨日は30分の散歩でウンチを4回。スーパーのレジ袋にほぼ半分の量をした。
持って帰るのが重たいほどだったが、その始末をしている最中にも動き回り、しっかり自分のウンチを踏む。家に着くなり、その足で僕の膝の上に丸々座りたがるのだからかなわない。
自分で小便をかけた草を食べ、その鼻とベロを僕にすり付けるのでさすがに汚いと思うがなんか拒めない。
小便を掛けたいなら草を食べてから掛けなさいと注意するが注意というものは一切無視。注意をされていることが解った時は低い声で唸り、「ウルセエ」という抗議をしている。
「ハイ、今後気をつけます」といった明快な答えは聞いたことがない。

ひと言で言うならどうやら「バカ犬」。
注意を聞くことはないのでお利口になる気配はないのだが 甘え方には天性のものがあって僕には彼を叱ることができない。

ちなみにインストラクターからはまだ連絡がない。
旅行に出た後、ご病気になられまして、現在徐々に回復中とのことですので、ご連絡をお待ちください。
仲介してくれたペット・クリニックの受付サンからそう電話があったきりだ。
新型インフルででもあるのだろうか?
まあ、僕は僕流にBlakeと暮らして行くので連絡は無いなら無いでそれでもかまわない、とこの頃は思い始めた。

まともな仕事もしないうち、ずるずると「余生」に入って行ってる感じがなんだかイヤなんだけど、こういうだらしなさは本来僕が持っていたものなんだよな、とも思い始めている。

バカ犬が僕に何かを気づかせてくれるのかもしれないので、それを楽しみに生きればいいか、とも…。
としたら「Blake大先生」と化す可能性も残しているので…。