『オーシャンズ13』『七人の侍』『チャタレー夫人の恋人完全版#1~4』etc.etc...........。
連日、夕方からの雷雨のせいで録画がすべて失敗。
大画面用に録り直しているのがほとんどなんだけど、呆れるほど録れてない。
BS放送が雨に弱いことは解っていたのだけど、CS放送までブロックが飛び交って、途中で受信をやめちゃってる映画も何本か。ヤンなっちゃうね。
で、レンタル作品と録り溜めたモノを見てるんだけど、
★『大いなる陰謀』Lions for Lambs ('07)
監督:ロバート・レッドフォード
監督:ロバート・レッドフォード/メリル・ストリープ/トム・クルーズ
ロバート・レッドフォードが製作と監督を担当した意欲作。
この人の作品にしては珍しく面白くなれないままで終わってしまった。
巨大な国家的陰謀の話で、トム・クルーズは新進政治家だが野心家で、ベテラン政治記者のメリル・ストリープを自分の出世に利用しようとしている。
レッドフォードは大学教授で自分の講義に一回も顔を出さなかった青年に将来性を見つけ、出兵し、危機に直面しているかつての教え子について調査させようとしている。
けれど三大スターの共演が売りなのに三人全員が出会うことはついにない。
しかもメリルとトムは議員の執務室で語り合うだけ。政治家と記者だが丁々発止とやり合うシーンもなく、残念ながら演技的な火花も散らない。
レッドフォードも授業シーンと教授室のシーンで学生と語り合っているだけで、何の見せ場もない。
緊迫したシーンはかつての教え子が戦線で立ち往生し、敵に包囲されているシーンだけ。
この三つの舞台に司令部がレーダーを見ながら焦りまくるシーンのみで映画は構築されていると言っても良い。
これだけで映画を持たせしまっているのだから大したものとも言えるのだけど、主人公三人がほとんど動きもせずに喋っているだけなので、どうしても面白さにまでは到達しない。
メリル・ストリープは車に乗り込むシーンと車内の表情もあるけど、まあ、それだけなのでねえ。
★『バンテージ・ポイント』Vantage Point ('08)
監督:ピート・トラヴィス
監督:デニス・クエイド/マシュー・フォックス/フォレスト・ウイテッカー
ウィリアム・ハート/シゴーニー・ウイーバー
大統領暗殺に絡む陰謀劇だが、殺害現場を目撃した、あるいは関与した8人の視点から映画は綴られていて、それぞれが最後にある一点に行き着く、という面白い試みをしている。
正直言えば、最初から予想される筋書きそのままに物語は進んでしまったのだが、僕はそれなりに面白く見た。
デニス・クエイドのシークレット・サービスもこれまでの域を出ない設定なんだけど、大統領の警護官はこれくらい頼りになる設定じゃないとダメだ。パターン通りで僕は満足。
警護の相棒マシュー・フォックス。ついに映画に登場だよ。テレビ『LOST』の主役ジャック医師で当てた役者で、漫画にすぐ描けそうな二枚目なのが良い。役どころもなかなか目立っていて、僕はこれにも満足。
フォレスト・ウイテッカーはさすがアカデミー賞俳優で単なるカメラ親父から重要な目撃者、さらに事件を追って駆け回り、デジ・カメ・ムービーを回し続け、少女を助けるヒーローに変貌して行く。アクション映画の中にいても見所満載の役で演ってても面白いだろうなぁ、こういう役。
ウイリアム・ハートは暗殺される大統領。
冒頭で暗殺されてしまうので、仮にもオスカー俳優、そりゃなかろうぜと観客に思わせるところが味噌で、当然、それでは終わらない。
そこに渦巻く陰謀、テロに次ぐテロが短時間に引き起こされて、映画は無謀なほどスリリングな展開になって行く。
この大統領役は彼クラスの役者じゃないと興味を最後までつなげない。つまり、助ける価値があるかどうかの問題でもあるので、ビル・プルマンあたりだと助からなくてもしようがないじゃない? なんて気になってしまいそうだ。
趣向も配役も面白くて僕は気に入った。
★『ゴッド・アンド・モンスター』Gods and Monsters ('98)
監督:ビル・コンドン
監督:イアン・マッケラン/ブレンダン・フレイザー/リン・レッドグレイブ
これは実在の映画監督ジェームズ・ホエールの晩年を描いた作品。
『フランケンシュタインの花嫁』で知られた監督だが、ゲイという性癖がこの人の命取りになったらしい。
それが「性癖」なのか「生き方」なのかは大事かもしれないけどね。
ともあれ、この物語は庭師クレイ・ブーンの逞しい肉体に魅せられたホエールが、彼に絵のモデルを頼むところから始まるのだが、イアン・マッケラン演じるホエールは実在感がある。
マッケラン自身がカミング・アウトしているゲイであるからだが、老醜が漂うようになったゲイの哀しさや、抑え込んでも湧き上がる青年への恋情の表現は名優の名に恥じない見事な演技。
受けて立つブレンダン・フレイザーも『ハムナプトラ』を上地雄輔君に吹き替えられちゃうと可哀想な気がする上手さ。
この人も顔が良すぎて使い道のない口。アドベンチャー物、絵空事映画が似合っちゃうタイプなので、この演技力はちょっと勿体ない。
やり場のないテイストの作品なのだが、庭師の青年がゲイの老人と過ごした日々を優しく思い出すラストに救われる。
メイドのリン・レッドグレイブが監督のすべてを知り抜き、嫌悪しつつも長年仕えている女を的確に演じて極上。
全体に計算の行き届いた非常に良い出来の作品。
★『ドリームズ・カム・トゥルー』Akeelah and the Bee ('06)
監督:ダグ・アッチソン
監督:キキ・パルマー/ローリンス・フィッシュバーン/アンジェラ・バセット
アメリカでは学生のスペリング・コンテストはテレビ中継されるほどの大イベントらしいのだが、日本で言えば公開漢字書き取りテストみたいな物。
中学生が大学生でも知らないような英語のスペルを口頭で答えて行く大会を「スペリング・ビー」と言うようなので、この映画のタイトルは『アキーラとスペリング・コンテスト』。
全く同じ趣向の映画にドキュメンタリーの『未来に架ける子供たち』とリチャード・ギア主演の『綴り字のシーズン』がある。
『未来に…』はこのコンテストの内幕が解るとても面白い作品だが、『綴り字…』は気分が沈む出来。
『ドリームズ・カム・トゥルー』はタイトル通り、「夢は叶う」が根底にある。ただスペル大会に出たがるアキーラに困ったことばかりする母親の存在がちょっと生煮え。
邪魔する根拠がよく判らないのと、突然の変貌にも納得が行かない。
ただ、出場する子供たちの描き方はこれが一番愛らしい。大嘘なんだけど、こういうシビアな話をエンターテインメントに持って行く手段としてはその甘い手、ぬるい描き方が結構大事な時もあるので、僕はまあ、許せる範囲かな?
もっと上手な方法もあるだろうけど。
フィッシュバーンは製作・主演を兼ねていて、かつて『TINA/ティナ』で憎み合ったアンジェラ・バセットをキャストに迎えて今回は解り合う大人を演じていて興味深い。
スペリング大会には人生と地域社会の未来が懸かっていることもよく判って、映画的緊迫感もちゃんとある。
相撲報道で気分がへたっている僕には『ドリームズ・カム・トゥルー』が最も救いだったかもしれないな。
3 件のコメント:
『ドリームズ・カム・トゥルー』見てみようかと、思います。たぶん、いえ、かぜさんの何十分の一くらいだけれど、かぜさんと同じ気持ちなので
土曜日のTVで『ターミナル』を見ました。
CMが入ってブツ切りだし、
放映されなかったシーンとかあったでしょうから
急に場面が飛んだ印象の所もありましたが
なんとなくジンワリしました。
好きなのに別れる…さよならする…
ちょっと誰かさんのことを思い出してます。
今日は爽やかな秋晴れです。
巷ではおいしい果物が出回ってます。
梨がイイですよ!梨!!
梨を買って食べてシャッキリしませんか?
『ドリームズ・カム・トゥルー』
やっぱり、お母さんが唐突な感じで、邦題も内容を表してるようでいて漠然としている感じがしますが、悪い奴が出てこない あたたかな映画でした。
大会にでる主人公を街のみんなが応援したり、失格にならないように時間稼ぎを必死でする友達がいたり、彼女をとりまく人間がみんな優しくてほっとします。
結末も母親目線としてとっても満足。子どもの映画はこうでなくっちゃ!
先生役の俳優さんはマトリックスのモーフィラスをやった人らしいですね。
全然わかりませんでした。
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