2009年2月26日木曜日

ドモアリガット ミスタロバット ドモドモ

昨日出会った嘘のようだが本当の話

大手電化製品量販店にて

「ケータイの電池が欲しいんですが」
「バッテリーでございますね?」
「ウン、電池が欲しいんだ」
「あのー、バッテリーならございますが」
「あるの? どこ?」
彼女はもう一度、僕に念を押すように言った。
「バッテリーでよろしいンでしたらご案内出来ますが!」
その口調は明らかに不機嫌になっていた。
僕は素直な老人なので
「ハイ、お願いします」
と大人しく言った。

さて、あんなに「バッテリー」に拘った彼女だったが、一分程待たされたあげく、ドコモ系の「バッテリー」そのものをこの店では扱っていないことが判った。
「電池」はないけど「バッテリー」ならあったんだろうか?
もはや訊く気も起きなかった。

結果としては、残念ながら特殊なタイプなのでショップにも取り置きがなく、どこか近くの店にご注文下さいとのことだった。
なんか運の無い一日でしたね。

ちなみに僕のケータイのトリセツには「電池」「電池パック」と書かれているんだけどね。
しつこくてゴメンねゴメンね~!

2009年2月23日月曜日

100%SO…かもね

アカデミー賞の結果

中継が始まって程なく書いた日記に『Boy from OZ』とタイトルした。
単純にヒュー・ジャックマンのトニー賞受賞作のタイトルのつもりだったのだが、主演男優賞は『ミルク』のショーン・ペンだった。

ショーン・ペンが演じているのはゲイであることをカミングアウトし、後に暗殺されたサンフランシスコ市長ハーヴェイ・ミルク氏である。
つまり、『Boy from OZ』に複数形の「S」を付けて『Boys from OZ』とすればミルク氏もその中に入る。

「OZ」は『虹の彼方に』ある国だ。
「虹」はレインボー。
「レインボー・カラー」と言えばそのまま「ゲイ」を象徴する色。
『虹の彼方に』はゲイの国に行くことを夢見る悲しい歌だ、という解釈があって、この歌を、夢見る少女のようには歌わない歌い方、というのもある。

ジャズ・ナンバー『私の青空』を「家路を辿れば楽しい我が家」風に歌わず、あの陰鬱な声でまんま歌って、見事に帰宅拒否症の熟年親父ソングにしてしまったのは高田渡さんだが、オズの国から来た男の子たちが歌う『虹の彼方に』の解釈と高田渡的『私の青空』は発想に共通点があると思う。

ショーン・ペンの受賞の時、『ミルク』の脚本家が瞳を潤ませている姿がインサートされたが、ひどく感動的だった。

日本映画『おくりびと』が外国語映画賞を獲った。
バラエティ畑の放送作家小山薫堂さんのホンだ。
快挙である。
バラエティの達人たちの映画界進出成功例では『踊る大捜査線』の君塚良一さんがいるが、こういう快挙は後に続く放送作家たちにイイ刺激になるはずだ。
青木研次さんの『独立少年合唱団』も心に残る。
(ま、青木さんはドキュメント畑だが)
彼らは放送の世界に生きる後輩達に希望をもたらしてくれた。
彼らのような優れた才能達が放送というメディアを支えているのをテレビは忘れて欲しくないと思う。

今、不況による予算削減で「構成作家の代わりなんて日本語が書ければディレクターでも務まるんじゃない?」とばかりにバッサバッサと斬り捨てられているが、僕の経験では僕の代わりにディレクターが書き始めた番組は一年で終わったけどね。
なるべく他のメディアに才能を持って行かれない方がイイと思うよ。

話は戻るがショーン・ペンの受賞スピーチはいかにもこの人らしい背筋のシャンとした物だった。
彼を1990年頃、そう、マドンナと結婚するかしたかの頃、僕は既に彼を気に入っていて、あるテレビのAD君の前で激賞したら、彼は今でも僕を尊敬してる、と言ってくれる。
彼は今や海外のミュージシャンドキュメントで賞を貰うほどのディレクターに成長しているので、僕の自慢の種なのだが、彼の言い分はこういうことだ。
「あんな時期にショーン・ペンを褒めた人なんていないじゃない」
目敏いのだけがオレの取り柄なんで…。

ペンがミッキー・ロークを讃えたのも、なんか泣けたな。

ケイト・ウィンスレットも主演賞を獲ったし、華やかで順当で、今年の授賞式は久しぶりに見ごたえがあった。
ジョリー=ピットが獲ればもっと華やかだったけどね。
二人に代表されるように美男美女で、興行力もあって、しかも上手い俳優が今年は沢山いて、これがアメリカの底力。
ここではあのイカしたモックンでさえ地味に見えてしまうんだからなぁ。

あ、そろそろ仕事仕事。
声を大にして言おう。
日本映画の才能達に、「おめでとう!」と、心から。

Boy from OZ

今日は予定がいっぱいなのにアカデミー賞授賞式を見始めてしまった。

歌って踊れて芝居が出来て、今世界で「最もセクシーな男」(2008年『ピープル』誌選出)ヒュー・ジャックマンが司会。最初っからその持っている能力を全部見せてしまった。スゲエ! 感動して泣いちまったヨ。

僕はヒュー・ジャックマンを一昨年の暮れあたりから取り上げていた。
先見の明に驚いている。ヘッヘツヘッ。(オードリー春日か!)
『X-MEN』のウルヴァリンで注目した。
こういう変身SF異能力者物は僕が勧めてもみんな関心を持ってくれないのだが、「他人と違う」悩みは人間誰にも共通した物。変身SF物なんて、と遠ざけずに、平たく解釈して自分に近づけて見ればおのずとその真意が見えてくる。
狼男なんて役をキチンと出来る役者に力の無い訳がないので、ヒュー・ジャックマンのこの活躍は、まあ、当然、なワケだ。
彼のミュージカル『ボーイ・フロム・オズ』、見てみたかったなあ。トニー賞受賞作らしい。
ブロードウェイを舞台にしたゲイ物(いわば内幕モノ?)らしいのだが「他人と違う」資質というテーマは『X-MEN』と通底する。

『レスラー』のミッキー・ロークも僕が一昨年から再評価に入っていた人。
06年の『ドミノ』でのワイルドな賞金稼ぎ役は出色だった。
「ねこパンチ」の汚名を払拭してこれで完全復活だなと感じていた。嬉しい。

ケイト・ウィンスレットもとうとう来たね。ケイト・ブランシェットより僕はこっち、と書いたのはつい最近のことだったと思う。
『愛を読む人』。
ゴールデン・グローブ賞では主演・助演の両賞を一人で獲ってしまったがオスカーではどうか?

この人たちをせっせと取り上げていた僕の唯一の執筆番組『バックグラウンドミュージック』が来月いっぱいで終わる。
残念で悔しくもあるが、僕の勘はこの授賞式を見ていてもまだそんなに衰えていないと思うので、ちょっと勿体ない気はするけどね。

さて、早くも日本人が受賞したぞ。加藤久仁生さん。短編アニメ賞『つみきのいえ』。
嬉しい嬉しい。
『おくりびと』はどうかな。期待してるんだ。

でも、見続けてないで早く自分の仕事しなくちゃね。

なんとヒューがビヨンセとミュージカルのヒット・ナンバーを歌い踊って見せている。
なんて今年は豪勢な司会なんだ。

それに比べて先週の「日本アカデミー賞」…。uuuuum…!!!