2015年10月17日土曜日

10/17(土) 本日の『どこかでラジオが』(FMさがみ 23:00~23:59)



『かぜ耕士の昭和史』は1973年(昭和48年)に入りました。
3/31(土)でNHK『若いこだま』を降板し、さて、旅に出るか、とウダウダしていた4/1(日)の午後、一本の電話。
『明日、新番組の会議に来られる?」
ニッポン放送のプロデューサーからでした。
その日はエイプリル・フールです。しかも日曜日です。冗談だと思いました。
しかし、仕事が昨日で全くなくなっちゃったのだから受けざるを得ないでしよう。
ボクは当時、6月スタートの『オールナイト・ニッポン』4時間バージョンのパーソナリティ・オーディションに残っていました。
前年、ニッポン放送は聴取率が落ち込み、新機軸を打ち出す必要に迫られていました。
『オールナイト・ニッポン』の内容一新策の中で、4時間を一人で持たせるためにはタレントでは不安。構成作家で喋れる奴を起用する方が安心なんじゃないか、という案が出て、出入りの構成作家ばかりか、プロデューサー、ディレクターに縁のある人たちが次々にオーディションを受けていました。
ボクの周りの大半の作家達も受けていました。
他の連中がどんな試験をされたのか知りませんがボクは「『ウッドストック』におけるジョーン・バエズの不当な評価」「美空ひばり」「花の持つ意味」を3分ずつ、およそ10分喋りました。
そしてそのまま、何となく残っているらしい、という噂を聞いたきり、放ったらかされていました。
翌日、会議に出ると新番組は4/17(火)0:10スタートの月~金20分の帯番組で中身もタイトルも決まっていませんでした。
とにかく、駆け足で用意して、その日に間に合わせるべく何度かの会議が開かれ、番組は始まってしまいました。
『たむたむたいむ』は前半を「30秒発言」、後半をかぜ耕士のひとり語りと「東京情報」で構成し、30秒発言には何本かに一回感想を挟む、という緊張度の高いもの、毎日のエッセイは結構きつく、まだ発刊されたかされないかの『ぴあ』ラジオ版もかなりかったるい企画でした。
数字も中身も冴えないばかりか月8万の出演料は所得税を引かれると72,000円。
とても東京では暮らせなくなり、10月、田舎に出戻りました。
29歳での出戻りは恥ずかしいモノでした。
しかも、翌年に入ると降板の話も出るようになっていました。
しかし、この話がスポンサーの耳に入ると「降ろすな」という指示があったそうで、テコ入れのためにLF最強プロデューサーのドン上野こと上野修さんがスタジオ見学にやって来ました。
感想は「あんな理屈っぽい奴とやりたくない」だったそうで、4月からの2年目は前年制作に移ってきたばかりでまだADだったOさんと新入社員で勿論、まだADの藤井さん、というLF最弱スタッフ(失礼)が番組に付くことになりました。
ところが、この頃のボクは運に恵まれていたのでしょうね。
ボクが番組の中である少年の発言に絶句したことから、突然、番組に火が付きました。
それまで最高20通しか手紙が来なかった番組に突然、200通を超える封書が届くようになり、半年もすると1万通が届くようになっていたらしいのです。
僕自身は4000通までしか数えたことがありません。
レコーディングと出版の話が立ち上がり、ボクを取り巻く環境は全く変わりました。
今日のゲストはそんなわけでLF入社以来のつきあいとなる音楽ディレクターの藤井正博さん。
JOLFの歴史の中でも音楽専門のディレクターを募集したのは'72'年と73年の4人だけ、という異色の人。しかも、大学で音楽活動をしていなかったただ一人の採用者でもありました。
その異能故に在職中は慣れない部署に飛ばされ、苦労したこともあったのですが、定年時になるとLFに取っては必要欠かさざる人になっていて、契約、契約の連続で65歳の最終定年まで勤め上げました。
そして、本年、完全退職するとラジオ製作会社から引く手数多。
ついにはこの10月から退職したばかりのLFで『オールナイトニッポン ミュージック10』(毎月曜午後10:00-11:50)を持つことになりました、
その他にもFM番組などをお持ちですが、とにかく、今の方が忙しくて充実しているという藤井さんをお招きして古い話を。
曲は
①ボブ・ディラン 『風に吹かれて』
②ザ・ビートルズ 『プリーズ・プリーズ・ミー』
③ニール・ヤング 『孤独の旅路』
④EPO 『もう一度恋をしてみようかな』
ちなみに藤井さんはEPOの発掘者ですが、この発掘者はあくまでも謙虚です。
「EPOは僕らが目を付けなくてもきっと誰かがデビューさせてたと思います。事実、同時並行で、もう、TBS系の日音音楽出版も動いてましたから。僕らの熱意が少し強かっただけ」
FMさがみは、パソコンならサイマルラジオでお聴きください。
スマホではリッスンラジオ、 i-コミュラジオ、TuneIn Radioなどの無料アプリがあります。
これら専用のアプリは一度ダウンロードしておけば、いつでもラジオが聴けます。
僕の使い勝手ではTuneIn Radioがベストだったのですが、このところ調子が悪くリッスンラジオに助けられています。
ご自分のスマホと相性のいいアプリを試しておいていただけるとありがたいです。

写真はkuro-sanと藤井さん。ProNexスタジオで。

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