2017年7月27日木曜日

恵中瞳ワンマンライヴ

恵中瞳ワンマンライヴ
(7/26 於:U-ma神楽坂)
最近、FB友達になった恵中瞳さんのソロコンサート'Keep on Smilling'に行ってきた。
「恵方巻の恵、中目黒の中、24の瞳の瞳」、エナカヒトミさんは出版社「南雲堂」(nan'un-do)所属タレントなので必然的に色んな顔を持っている。
コンサート自体、3部構成をとっていて、1部は「認知症予防」ソング3曲を披露。
南雲堂発売の「認知症予防~お口の体操」DVDの販促を兼ねている。
目下リハビリ中の僕が言うのだから信じてもらえると思うのだが、この3曲を簡単な振りと共に歌うと、老化防止にもなるしリハビリにも役立つ。
「パタカラ体操」の歌なんて、発音の矯正や誤嚥防止になること請け合いなのである。
加齢が気になり始めた人向きだからメロディもテンポもちゃんとターゲットの年齢層向きに出来ている。
恵中さんはこれを実に丁寧に歯切れ良く歌う。
リハビリ施設の職員向けイベントなどを企画してスタッフさんに覚えてもらうとうんと効果あるのじゃないかなあと思いつつ楽しく聞いた。
2部はこれも販促傾向の強い英語レッスンソング。
ハリウッドでアクション女優をしているセリーナ先生は「日本人は主語なしで話が通じあう世界でも稀な人種」「でも、それが日本人の英語力上達を妨げている」と語る。
恵中さんはセレーナ先生の生徒であると共に、セレーナ先生の著書『ナタミラクル瞬間上達英会話』で「英語力向上3つのポイント」ソングを聞かせてくれた。
英語コンプレックスを持つ僕なども2020年までにはこのコンプレックスを解消できそうな気がしてくる歌でこれも楽しく聞いた。
まあ、英語コンプレックスの人は誰でも「簡単」という言葉に弱い。出来るだけ「楽」そうな方向に流れるものなので、恵中&セレーナのナタミラクル組に流れるか、石川遼くんの「スピードラーニング」に流れるか、ちょっと迷うとこでもあるんですけどね。
今の僕はやや、ナタミラクル・チームに傾きつつある。
だって、無料CD進呈、ってあとで勧誘電話が絶対来そうなんだもの。断れる勇気が僕にはない!
さて、3部で恵中瞳の魅力は全開となる。
ここまでは出版社「南雲堂」所属の全方位的器用さが目立つシンガーにすぎなかったのだが、ワンマンライヴである3部で彼女はここまで見せなかった不思議な力量を感じさせ始める。
恵中瞳の売り文句は「ちょっとビターなカカオヴォイス」なのだが、彼女が本領を発揮すると、妙なことに、この横文字売りに僕の中ではちょっとした違和感が生じてきてしまった。
つまり、J-POP系の持ち歌を歌っている限り、仕上げの丁寧な上手い歌手だ。
このジャンルにそういう歌手は数多いので、それだけのライヴなら、良くできました、いい歌聞いたよ、で済むはずだった。
けれど、彼女はまだ持ち歌が少ない。そこで、路線変更前のデビュー曲『男はありゃりゃ』『困るんるんよ』を聞かせてしまった。
POPなコミックソングとしか思いようがないこのデビュー曲は意に反して曲が完全に演歌の作りなんである。
噴飯モノ? イエイエ、楽曲の出来はともかく、困ったことに恵中さんはこれを実に上手く歌ってしまっている。つまり、彼女は演歌歌手としてデビューしていたのだ。
お父さんが演歌好きで、恵中さんも演歌を歌って育ったという。
その声の艶と伸び、小節の利かせ方。まごうかたなき演歌歌手で上手い!
聞いてる僕は混乱し、困惑した。
え、恵中さん、あなたは今、どこに向かおうとしてるの?
なんか、迷走してない?
演歌歌手なら、英語力が邪魔。
衣装が違う、化粧が違う。違うことだらけ。
ポップス歌手なら、全部の経験が生きるけど、競争相手はいっぱいね。
そんなことを考えながら聞いてたところに「恵中瞳の専属MC」「南雲堂所属。生涯獲得年金ゼロ」をキャッチフレーズにする司会の南雲一範さんから突然、ステージに呼ばれ感想を求められたので、言わなきゃいいのに「ちょっと違和感が」などと余計なお世話の一言を発しちまった。
何故か、心底、この歌手売れていいはずなのに、勿体ないなという思いが込み上げていたのだ。
上手い歌い手はどんなものも上手にこなせてしまう。恵中さんもそのお一人に違いないのだが、1曲大当りしない内に色んな才能を見せてしまうと、歌手としての輪郭がぼやけてしまう。
それが勿体ないな、と思ったのだ。
帰りの電車の中、余計な一言を反省しつつ思った。
『みちのくひとり旅』って演歌の装いだけど、仕上げは実はポップスだよなあ。
『帰ってこいよ』も典型歌謡曲と見せながら、匂いがポップスだよなあ。
聞かせ方は得意の演歌で、匂いはポップス。そんな歌で当たりが出ると良いのになぁ。
そんなことを考えていたら、最近ネットで配信を始めた恵中さんの新曲「ひとよ、ひとよに、ひとみごろ」の最後が実に演歌的なキレだったなあ、と思い出した。
この歌の反響次第で、ひとつの方向は見えてくるのかもしれないなあ。
ひとりの面白い歌い手の歌から、久しぶりに業界心をくすぐられた愉しいコンサートでした。
ちなみに今回の会場となった「U-ma神楽坂」は東西線神楽坂駅から徒歩1分のピアノの置かれたライヴも出来るきれいな喫茶店。
客席20はもう少し増やせるのか?
入場料とのせめぎあいかな?
目の手術後、これが初めての写真かな? 南雲さん、恵中さんと。


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