2008年5月22日木曜日

本命はお前だ

2005年9月28日にこんなことを書いていた。

Wednesday, September 28, 2005
「カロヤン・ステファノフ君」

琴欧州は憂愁の美男である。
出身国ブルガリアのイメージにいかにもハマる。
ブルガリア・ヨーグルトの国、ってのも馴染み具合が好印象。明治乳業、ウハウハか?
別称「角界のベッカム」。うーん、ハニカミ加減がな。辛うじてOKにしてやる。
これから毎場所優勝に絡んでくるので、もう、顔が厳しくなり始めているが、一方でどこか気恥ずかしげな愁いも漂わせている。
「世界の果てのこんな島国で何故か人前で裸になってるオレ…」
そんな戸惑いか。
でも、番付上位を見渡してみても、常に優勝を争えるのは、今、朝青龍と琴欧州しかいないよなー。

琴欧州の活躍で、もう一人の欧州出身力士が注目され始めた。
三保ヶ関部屋の十両・把瑠都凱斗(ばると・かいと)。
バルト海沿岸の国エストニアの出身である。「角界のディカプリオ」だそうな。まあ、OKかな?
霧島関(現・陸奥親方)の「角界のアラン・ドロン」の突飛さに比べれば、元々外国人なんだからあまり無理がない。
「琴欧州」に比べると「把瑠都」という四股名そのものにはちょっと無理を感じるが…。

把瑠都は明るい。バルト海のイメージも相乗効果か?
笑顔も良い。
日本語の覚えはどうやら琴欧州より早い。しかもデカイ。小錦、武蔵丸同様、重さと怪力でしばらくは挫折知らずで番付を駆け上がるかも知れない。ただし、太り過ぎそうな気配もある。

ところで、把瑠都君、一つお願い。その金髪を黒く染めてくんないかい? 
なんか頭のてっぺん辺りの輪郭がフワッとしていて、力士としての姿形の決まりが良くないんだけど。
黒髪だとキリッとしたいい顔になると思うんだけどな。
あと、老爺心だけど髪が薄くなって髷が結えなくなりそうなおでこの広さに要注意かな。
洗髪の後、増毛剤でも使って欲しい。

その点、琴欧州は心配ない。だって、本名が「カロヤン」…。
これが言いたかったんかい! ンだ。


これは琴欧洲が快進撃を続けて大関昇進が現実的になり始めた時に書いている。
この9月場所、欧洲君は期待通りの13勝2敗を上げて、翌場所10勝すれば「大関当確」となり、11月の九州場所で見事11勝4敗として昇進を決定づけた。

2006年1月初場所は大関昇進場所。
まずまずの10勝5敗としたが、春場所に向けての稽古中、膝を傷めた。1度傷めている、言わば古傷である。
ひと場所休場して養生すべきだった。
しかし、彼は出場し、痛々しい包帯姿で辛うじて場所を務め、驚くべき身体能力で9勝6敗とした。
そして彼はその後も休まず場所を務め上げた。
しかし、かつての勢いは影を潜め、やっとの勝ち越しやまぐれの10勝と、決して褒められない土俵を披露し続けた。
「クンロク大関」以下の仕事が続いた。
取り口も簡単に勝とうとする引き技や、朝青龍が広めて以来、角界中に蔓延してしまったみっともない取り口「張り差し」を多用するという見ていられない相撲になって行った。

そして、来るべきモノが来た。休場。そして、カド番。

2007年11月と2008年3月。ひと場所置きのカド番は陥落の定番である。
ついに琴欧洲にもその時が来てしまったか、と思った。

実は今年の初場所は怖くてテレビ中継は見なかった。
3月場所も途中休場だったので、負け始めた時から見ておらず、当然今場所も見るつもりはなかった。

ところが、なんでかなあ、2日目の中継をつい見てしまったのだなぁ。
相手は旭天鵬。
下手投げで下したのだが、なんだか、膝の怪我をして以来、初めて、というほど具合が良さ気なのだ。

それでも、今場所カド番を乗り切ったら、来場所からまた見よう。
今場所、また負け越して大関陥落が決まったら、これっきり、相撲を見るのをやめよう、と決めていた。

しかし、大森南君が書き込んでくれてしまったのだなぁ。
「欧州君、調子良好」
ウーン、見ざるを得ンでしょう!
翌日からリアルタイムでテレビ桟敷に陣取ってしまいましたのさ。

10連勝した時、朝青龍に勝てたら何かが変わる、と思いましたね。
横綱二人だけで優勝を争う場所が続いていることにファンが食傷している現実。
どんなに問題横綱でも、結局、出てくりゃ勝ってしまうことへの苛立ち。
今の相撲が持つ閉塞感を打破するには二人の横綱以外に、もう一人スターが必要だろう、と…。
まあ、相撲ファンなら誰もが思いましたよね、多分。

期待できるのは稀勢の里、豊ノ島の二人しかいません。
把瑠都は怪我、豪栄道は若いのに簡単な勝ちを欲しがる悪癖がある。
でも、稀勢の里は大勝ちがまだ出来ない。ジリジリと強くなっているが圧倒的でない。
豊ノ島は大勝ち出来る魅力があるが、いかんせん、背が低すぎる。
安美錦、大好きだけど、大勝ちは、ねぇ。

ン、琴欧洲の調子がイイの?
だったら、相撲が面白くなるソレが一番の近道ジャン。
だつて、かつてそうなりそうな時期があって、あの時、相撲人気は少しだけ上向きかけたんだから。
なんて、ネ、思ったわけサ。
朝青龍を破れば、何か、相撲界にこれまでとは違った機運が生まれるような気がしたんだよね。
特に、今場所の朝青龍の相撲は良くないし。
どこか落日の気配を漂わせ始めた横綱に引導を渡す存在になれたら、欧洲君復活はあり得るぞ、と僕は思ったよ。

そして、思いは通じた。

ただ、今日の白鵬戦はいかがなモノだろう?
どうしても先に上手が欲しかったという思いは解るのだが、跳び加減の変化技に出たのは好きじゃないな。
こういう勝ち方はクセになって、相撲がだんだんキレイでなくなる危険な勝ち方だ。
勝ってもこれからの向上につながらない白星だ。
特に、今場所のように調子を上げてきている時は正面から堂々とぶつかっても勝てるはずだ。
そして、そういう勝ち方で星を積み上げていないと力士として大きくなれない。
折角、悪癖になりつつあった「張り差し」も出さずにイイ星を積み重ねてきたのに、勝ちにこだわりすぎた今日の相撲を僕は買わない。
ただ、勝たないとどうにもならない局面だったので、ファンとしては辛うじてOKにせざるを得ないか、という残念な勝ち方だな。

ところで、欧洲君、これで優勝に王手、かというと案外そうでもない。
明日の安美錦は曲者である。相撲巧者だ。
そして、翌日が安馬。小さい身体の力士を欧洲君は苦手にしている。
ここに、予定外の豊ノ島を連れてこられると安馬よりなお小さいから実は難敵である。
全員、対戦成績で欧洲君を上回っている相手ばかりだと思う。
番付は下でも相撲が上手い連中ばかりだ。

ただ、昨日までの相撲を取れるなら、3日の内2日勝てば良いのだから初優勝は明日の安美錦戦いかんだ。
いやー、見たいよ、琴欧洲の優勝姿。
3年前に夢見ていたことが現実になりそうなんだから、もう、居ても立ってもいられないよ。

そして、特筆すべきは欧州君の相撲がこれまでに見たことがないほど丁寧になっていることだ。
こういう長身の力士は大味な相撲になりやすいので、大きいのに丁寧になると、膝の故障をネックにしなくても良くなるかも知れない。
今場所の快進撃の理由は突然、相撲に丁寧さが加わったことだ。

「恥知らず大関」というひどい記事を書いた新聞があるが、それに発憤したのならソレはソレで良かったかも知れない。
カド番2回で恥知らず…? 
オレはそんな書き方は許さないけどね。(おお、怒ったせいで元気出てきたかも)

そんな力士はこれまでいくらもいたのに琴欧洲には何故冷たい?
相撲記者の記者らしい視点はどこにあるの?
ハワイ勢にもなかった「大きな身体で丁寧な取り口」くらいの記事は優勝したら、でイイけど書いてやってよね。もし、相撲を見る目があるのなら、だけどサ。

ともあれ、白人初の優勝、という記録の他に、モンゴル出身力士以外で初めて相撲が上手くなった外国人力士として記憶される力士になる可能性も出てきたかもしれない。
致命的な膝の故障を抱えているので、ファンとしては浮かれきれてはいないのだが、久しぶりに、なんか嬉しい。

2008年5月20日火曜日

24000回のキッス

♪1秒のキッスを1日続けたら24000~ 
イェーイ・イェッイ・イェ・イェ・イェッ・イェッ…

計算間違いで有名な、ただ語感だけで騙しちゃおうとした可愛い歌。
高校の頃から今に至るも愛唱歌の一つだ。

ところで1日がテーマのアメリカのテレビシリーズ『24』第5シーズンがただごとでない面白さだ。
今シーズン分だけ見ても充分楽しめると思うんだけど、これまでの4シーズンを知っているとなお面白い。

今シーズンは第1話でパーマー大統領が暗殺されたことから、すべての「世界」から消えていたCTUの敏腕捜査官ジャック・バウワーが否応なしに現場復帰をせざるを得なくなるという始まり。
彼を現場に引き戻すためにテロ組織は彼の存在を知っていると思われるCTUスタッフを狙う。
前シーズンまで大活躍だったCTUの退役女性スタッフ、ミシェルは殺され、ジャックの頼みの綱である夫のトニーは瀕死、CTUの有能女性オペレーター、クロエだけがクールにたち動き、ジャックの復帰に手を貸した後、命からがらCTU本部に辿り着く。
ところがジャックがフランクと名を変えて身を隠していた先で世話になった女性ダイアンの息子デレクがジャックを不審に思い、後をついてきてしまったことから二人揃ってテロ騒動に巻き込まれることとなり…、という息もつかせぬ展開だ。

まあ、このドラマの定石通り、犯人グループは常に内通者をCTU本部と大統領の身辺に配備していて、政府の情報は漏れ続け、ジャックはさらに危機に陥って行くのだが、今シーズンのとりわけ優れた点としてはジャックのロマンスがきめ細やかに描かれていること。

特に第五話。
ジャックの元恋人オードリーがダイアンの取り調べに当たるシーン。
オードリーはジャックが死んだモノと思っていた。だが、目の前の女性、ダイアンと暮らしていたらしい。オードリーは平静でいられない。

取調室のガラス越し。近づいてくるジャックが見える。
オードリーは聴取を中断してジャックの元へ足早に近寄る。
取調官の態度にダイアンはジャック(彼女にとっては油田で働いていたフランクでしかない男)とオードリーにかつて何かがあったらしいと察する。
ふとよぎる哀しみの表情。上手い。

オードリーはジャックに歩み寄り、生きていることを知らなかったこと、その情報を信じていたこと、に悔しさと後悔を滲ませる。
抱き合いたい二人。だが、何とかこらえる二人。
ウーン、切ない!

僕はこの短い2シーンを見ていて思わず泣いちゃったんだよね。
今シーズンはジャックを演じるキーファー・サザーランドがプロデューサーに名を連ねているので、24時間「リゲイン」マンの不死身の活躍だけでなく、人物相互の心の綾にまで迫ろうとしているのが解る。
手に汗握るサスペンスの中に細やかな情愛が描かれて、見応え充分だ。
役者としてはただ駆け回り撃ちまくるだけでなく、芝居のしどころが欲しいのは当然なので、役者がプロデューサーに噛んだことで、主演以外の役者たちまで随所でイイ芝居を見せている。
極上のシーズンである。

話は変わるがアメリカのゴルフ・ツアーで活躍する今田竜二君がついに初優勝したね。
以前にも数回書いたことがあるけど、14歳の時、単身アメリカにゴルフ留学して、大学生の頃、かなり活躍が期待されたんだけど、中退して1999年、プロに転向するも、結局は下部ツアーを転戦。
そこで実績を残して2005年からツアーに参戦すると徐々に力をつけて2年前あたりから上位に食い込むようになった。
去年は惜しくもプレーオフで破れるようなこともあって、優勝は時間の問題と見られていたわけだが、先週、その通りになった。
去年あたりはシード60位あたりでも日本の賞金王と同じくらいの賞金額を記録していて、今年はシーズン序盤だというのにもう2億4000万円を稼ぎ、順位もランク4位に上げてきた。
31歳。
青木、丸山、に続いて日本人わずか3人目の優勝記録である。
でも、身体の小さい日本人がアメリカで勝つことがどれくらい難しいことなのか、彼の軌跡を見ていても容易に察することが出来る。
藍ちゃんは初日二日でいいところにつけても最終日で崩れるパターンが続いていて、なかなか勝機が訪れないが、腐らずに頑張って欲しいモノだ。
今田選手の優勝は彼女にとっても大きな励みになると思うのだ。

大相撲の大関・琴欧洲も昨日までは絶好調である。9連勝。
「24」で括ろうとしたんだけど、今年はもう「25」歳になっちゃってたね。
今場所は相撲が落ち着いていて、何がこの人にこれほどの変化をもたらしたのか知りたくなっている。
強いとこの人の優しい貴公子顔が一段と輝いて見えるのも嬉しい。
こちらもブルガリアヨーグルトを食べ続けてる甲斐があるってモノだ。

国技館。枡席はまずまずだが、それでも平日は結びの一番になるまで、全席が埋まっていることがない。
これでもチケット情報は完売なんだから、会社やタニマチがまとめ買いしてただで配っても、来ない客が相当数いる、つてことよね。
安い席は相変わらずガラ空き。

雨・風がまだ荒い。
24時間闘えますか? ちょっと無理そう。

2008年5月18日日曜日

君に涙とほほえみを

どうも調子が上がらない。
昨日は血圧が上がったまま下がる気配が無くて午後3時頃から蒲団に入ったままになってしまった。
降圧剤は常時服用しているので、上がったまま、というのは最近はなかったことなので、ちょっと動揺してる。

6時からマンションの理事会の予定が組まれていたが、欠席させて貰うほどの調子悪さ。
睡眠薬を少し多めに飲んで9時頃、寝付いたと思うのだが、午前2時前には目が覚めてしまった。
冷やし中華を作って喰った、しかも二人前。さらにしかも、これでは中一日おいての連日メニューではあるまいか。オリジナリティの乏しいこと。
ただ、こんなことでもしないと卵焼きなんて一年に一回も喰わずに過ごしてしまう。まあ、別に卵なんて喰わなくてもいいんだけどサ。

昔は書くネタがないととにかく外に出た。出さえすればネタは見つかった。
今はなるべく外に出ない。イヤ、ちっとも出たくない。引きこもり老人になりつつある。
なので、書くことがない時は実際に何もない。

字幕付き映画が見られなくなっている、ということくらいかな、引っかかったニュースは。
これも既に前に書いている。
この頃の子は字が読めない、文字から連想がふくらまないので、読めたとしても意味が解らない。
だから洋画を見る客は当然減るのだと。
その通りになって、一昨年は洋画の観客数を邦画の観客数が上回った。
去年はまた逆転して元に戻ったけど、ヒットシリーズの上映があったからで、実は吹き替え版の方に客が入っている。

世界的にも吹き替え版の方に客が入ってるのよ、なんて訳知り顔で言う人もいるが、教育を受けられなかった人たちが客になってる他国と比べて、国民皆教育の国で吹き替え版の方が客が入るなんて恥ずかしくない?
まるでアメリカに不法入国したメキシコ人みたいだよ。
出稼ぎのために国を出た人たちが故国恋しさに自国の言葉への吹き替え映画を見るのとワケ違うんで、字幕が読めない、読めても文字の意味が解らない、という若者が多いことの方を重要視すべきなんだ。

ある会社で「通常との差異が認められた時は機械の操作を停止せよ」という注意書きの「差異」という字は読めたけど、「差異」の意味が解らなかったので機械を止めなかったために100万円の損害を出した大卒がいた。
会社が不安に思い新入社の10人に調査したら全員意味が解らなかったので、これでは1000万の損害が出る、と知って、会社は今、大卒社員に中学生の漢字ドリルをやらせてる、って話がある。

それが日本の現実だ。
渡辺謙も工藤夕貴も若者ってほとんど知らないのよ。洋画見ないから。
日本人がやっと海外に出て活躍できるような時代に入ったと思ったら、次代を担う人材たちは外国になんか興味がなかった、ってわけ。
日本で頑張ってれば外国の方から逆に引きが来るケースもたしかにあるので、まあ、国内でシコシコやってりゃいい、って分野もあるわけだけどサ。
そこでは海外に出るために流した汗の尊さは忘れられてるので、先人に対する尊敬心も全然ないしサ。
なので、どんな先人たちの努力があって、海外からその分野に引きが来るようになったかも考えてない。美味しい汁だけ吸うわけサ。
「移民」のことなんて興味もないから「移民切手」のデザイン問題が、なんてニュース、ニュースそのものの意味が解らなかったらしいよ。
「移民?」「切手?」「ブラジル?」「なにソレ?」という感じみたいよ。

時代が進むにつれて日本人の島国根性は逆に助長され始めてない?
その内、「鎖国」でも始めるんじゃないかと心配だけど、「アメリカン・アイドル」の踏み絵をやらされる前には死ぬつもりなんで、まあ、イイヤ。
って、年寄りはこうしてどうせ先に逝くんだから、というのを理由にして物申さなくなるのよね。

2008年5月17日土曜日

AUDIO DAY DREAM


ゴミを出して郵便受けを見るとフィル・ステイシーのアルバムがアメリカから届いていた。
彼が本選の時、一番力を発揮したカントリー・ソングのアルバムでレーベルを見るとバッキー・コビントンと同じ会社だった。
ナッシュビルあたりでは高名なレコード会社なんだろうな。
これで『アメリカン・アイドル』第5&第6シーズンのファイナリスト6人のアルバムを買ってしまった。


『phil stacey』(Lyric Street)
第6シーズンの6位、フィル・ステイシーのデビュー盤である。
妻の出産と予選が重なったが、予選を優先してハリウッド行きを決めた青年だ。
僕はこの青年の役者みたいな変質者顔が大層気に入って最初から応援している競技者の一人だったんだけど、やっとデビューだ。
彼のために書かれた新曲ばかりなんだと思うけど、カントリー・ソングで個性を出すのはとても難しい。
上手く歌えていても、聞き終えるとどれがなんという歌だったか解らなくなることが多い。曲の趣向が似ているせいだと思う。
それでもレオン・ラッセルのようなロック歌手がカントリー・ソングに取り組んで見事な成果を見せたこともある。際立った個性としてはケニー・ロジャースの例だってあるしね。
フィルだって今の感覚で仕上げる力は充分持っていたはずだ。
曲調はなるほど新しいのだが、聞き終えた感じは昔からあるカントリー・ソングを歌ってみました、って感じで、特別な彼らしさを感じることは出来なかった。
何故だろう?
まあ、上手いので決してソンしたとは思ってないけどね。

『bucky covington』(Lyric Street)
第5シーズンの第8位バッキー・コビントンはノース・カロライナのロッキンガム出身。
有名な車のレース場があったんだけど、客の入りが悪くてレース場が他所に移った後は寂れる一方で、バッキーの活躍だけが町民の心の拠り所だとか。
双子だったと思うけどとにかくそっくりな顔の兄弟がいて、いかにも性格の良さそうな子だった。
「クィーンを歌う」の回で審査員評はむしろ良かったくらいなのに落ちてしまったが、とにかくこの子のデビュー盤は買ってやろうと思っていた。
仕上がりはフィルと同様カントリー・ソングなので突出した出来ではない。

『ELLIOTT YAMIN』(Hickory Record)
エリオット・ヤミンは第5シーズン第3位。
堂々たるものなんだが、競技の最中からこの青年に傑出した上手さは感じなかった。
TOP9あたりから常にBottom 3に入っていた印象があったほどだが、不思議な底力で勝ち抜いた。
若年性糖尿病かなんかでひどく苦しんだ過去を持っていたと思うが、優しげな青年で誰もが応援したくなる個性だった。
このアルバムはラストの『ソング・フォー・ユウ』くらいしにしか彼らしい上手さは感じることが出来ないんだけど、全体的にはまとまりが良いと言えるかも知れない。
インディーズ史上最高の売れ行き、ってのはどういう記録なのかな?
よく解らない。
※と書いたあとで『ビルボード』のチャートをあたったら、昨年「インディーズ・アルバム」部門で1位にランクされ、シングル『Wait for You』はPopチャートの5位まで上がったんですねぇ。
大したモンだ。

『DAUGHTRY』(RCA/日本ではBMG)
エリオット・ヤミンに負けて第5シーズン第4位に終わった時は会場中が驚き、審査員も驚き、本人が一番驚いた。
大絶賛の中での敗退だったからだ。
クリス・ドートリー。バンド名を「ドートリー」としてデビューした。
第5シーズンではこの青年だけが圧倒的な声の艶とテクニックを持っていた。
ひと声聞いた瞬間に「ウメェ!」とうなる歌声で、レコーディングしたらあれよあれよという間にアルバムが150万枚。それが去年2月のことで、実は今週もまだ27位。ビルボードのアルバムTOP50に77週連続チャート・インしている。
08年度のグラミー賞では最優秀ロックアルバムの候補になっていたが小さな賞をひとつ貰ったくらいで終わったような気がするが、このアルバムは一種の名盤だ。
予選の時、彼のおかみさんが言った。
「彼は子持ちのあたしと結婚してくれた優しいひとなの。彼は歌をあきらめた。でも、アタシは夢が叶った。今度は彼に夢を叶えて欲しいの」
まさしくアメリカン・ドリームだ。それも超弩級の!

『BLAKE LEWIS /AUDIO DAY DREAM』(ARISTA/日本ではBMG)
ブレイク・ルイス。第6シーズンの第2位。
ラブレターの表に書いた恋人の名前より、ブレイク・ルイスという名前を書いた回数の方が多いかも知れない。
去年、そういう惚れ方をした。
手術に臨む前の半年間、体調は最悪だったが、彼の歌声を聞くだけでずいぶん助けられた。
なんだろう? なんだか気に入ってしまったのだな。
選曲のセンス、自分のスタイルへのこだわり方、圧倒的なものは何一つ無いが僕が一番くつろげる種類の声質。
テレビというメディアに出遭って以来、こんなにテレビで会うのが楽しみだったタレントはいない。
アルバム自体は騒ぎにならないかも知れないが僕はこれが大のお気に入りだ。
こんなに気に入ったのもデミス・ルソス(元アフロデティス・チャイルド)以来かも知れない。デミス・ルソスだって日本で人気が出たことはなかったわけで、イイさ、僕はそういう趣味なのサ。

『jordin sparks』(JIVE Record/日本ではBMG)
第6シーズンのウイナー、ジョーダン・スパークス。
初めは目立つところが全くなかったが、回を追うごとに上手くなっていって、ついに1位候補だったメリンダ・ドゥーリットルを追い抜いてしまった高校生。
優勝をかっさらった勢いのままレコーディングしたこの一枚は実は現在アメリカで流行ってる歌をパクリにパクった感じがするくらい耳慣れた曲調が多いのだが、この子の上手さはただごとでない。
アルバムは既に50万枚を超えたという。それだけの勢いはたしかにある。
『No,Air』(ビルボード最高位3位)『Tatto』(ビルボード8位)『This is My Now』(同15位)などが1枚のアルバムからシングルカット。

みんなの次のアルバムが楽しみだ。
メリンダ、クリス・リチャードソンらを早く聴きたいものだが…。

2008年5月16日金曜日

カリフォルニアの青い空

久しぶりの青空なので洗濯をした。
通常は乾燥機にかけるのだが、珍しく物干し竿に乾してみた。
銀行で記帳。5日から出納帳がホッたらかしだった。
指圧院にも行きました。30分2,000円。
西友で買い物。メモしていったのにメモを見ることを忘れてしまい買い忘れがいっぱい。
クリーニング店で洗濯物の受け取り。
冷やし中華が食べたくなったので卵を焼き、ハムとキューリを切って、まあ、そこそこ美味しく食べた。紅ショウガは買い忘れた。このメニューとは関係なく、買う予定に入っていたのだが…。

持ち歩きの音楽プレイヤーにエリオット・ヤミンとバッキー・コビントンを加える作業をしている内に開け放しておいた室内が涼しくなってきたので、洗濯物を取り込んだ。
結果は日射し弱すぎ!
11:00~4:00まで乾しておいたのにパジャマのポッケが乾いてまへんがな。

CSの「バイオグラフィ」番組で『探偵マグナム』のトム・セレックを。
健さん共演の『ミスター・ベースボール』で日本にもやってきたが、アメリカではコケたらしい。
『スリーメン&ベイビー』は良くできた作品だったよね。

夜は映画『トランス・アメリカ』を。

トランス・アメリカ Transamerica ('05)
監督:ダンカン・タッカー
出演:フェ リシティ・ハフマン/ケヴィン・ゼガーズ
    フィオヌラ・フラナガン/バート・ヤング

長い間、性同一性障害に悩み抜いたスタンこと現在名ブリーは、カウンセリングも受けて、今週末、悲願の性転換手術をすることになった。
ところがロサンゼルスで暮らす彼にニューヨーク市警から一本の電話…。
17歳の不良少年トビーが彼を唯一の身元引受人にしているというのだ。

実は少年は「売春」容疑で捕まったのだが、彼はブリーが大学生の時、一度だけ寝たクラスメートとの間に出来てしまったらしい子供。
ブリーは子供の存在を知らされていなかったのだが、実の子であることはどうやら疑いようがない。
徹底的に無関係を装い通してロサンゼルスに連れ帰り、まともな職に就かせて、親の役目を果たしたのち、キレイさっぱりおサラバしようと企んだブリーだったが…。

NY→LA間を車で移動し、何とか週末に手術を受けようとするのだが、道中はトラブルの連続。
しかも手術のために飲んでいる薬の作用で頻繁にトイレに立たなければならないから、息子にいつ男とばれないかとブリーはヒヤヒヤしっぱなし。
親としての愛情はあるのだが、息子が時々見せる男臭さがイヤでイヤでたまらない。

と、まあ、見ている方にとってはブリーがどんな風に親であることを息子に気づかれ、その時、どんな風に対応し、そのシーンはどんなに感動的か、というところにしか興味の持って行きようのない話なのだが、あらゆる意味でこの映画はそのあたりを裏切り続ける。

僕はもっと大感動物語を期待したが、それも裏切られた。
釈然とはしないが、その裏切り方がちょっと新しい。
ラストはヘナヘナと床に崩れ落ちてしまうほどの脱力ストーリーである。
だが、なんか憎めない。「うん、これもありだよね」といった映画だ。
話そのものは良くできていて、不承不承だとしてもラストの処理に頷かざるを得なくなるくらいまで観客を納得させている。
つまり、話の運び方に力がある。

ただ、ひとつだけ不満があるとすれば、この演技でアカデミー主演「女優」賞候補になったフェリシティ・ハフマンのキャスティングだな。
彼女は本物の「女優」なので、「女」になりたがっている「男」には、やっぱり見えないんだよねえ。
演技的には本当にキチンとこなしていると思うし、男優がこの役をやるとついつい喜劇タッチにせざるを得なくなるので、女優を使うのは多分正解なんだろうけど、やっぱり女優の演る「女になりたい男」は、最初から女にしか見えないんだよね。
見た目がもう、しっかりと女なので、いつばれるかという危険やスリルが大分薄まっている。
というか、どう見ても女過ぎて、これが手術前の男なんだとすると、なんか違和感があるんだよねぇ。

でも、男がこれを演れるかというと、すぐバレちゃう感じにしかならないんだろうな。
その点では良くできた方に入れないとイカンのでしょうね。
ま、そこ以外に特別な不満もないわけだし…。

一風変わったテイストの映画としてはお奨めです。

2008年5月15日木曜日

ロッホ・ローモンド

『ミス・ポター』 Miss Potter('06)
監督:クリス・ヌーナン
出演:レネー・ゼルウィッガー/イーワン・マグレガー

「『ピーターラビット』の生みの親、ビアトリクス・ポターの半生を描く感動のトゥルー・ストーリー」
という惹句で売った映画だが、不思議だな、山場というものがまるでない「映画としてこれでイイのかよ」という作品なんだ。
だけど答えは「これでイイのだ」なんだよな。

映画はミス・ポターが出版社に「ピーターラビット」の絵を見せているシーンから始まる。
出版社としてはまるで興味がないんだけど、経営者兄弟は出版を決める。
それは彼らの末の弟が自分にも出版の仕事をさせろ、と言っているからだ。
売れない作品を弟に与えて早々に失敗させ、体よく自分たちの仕事場から追い出そうという魂胆だ。
というのも、弟は嫁のもらい手がない姉と二人で母親の相手をして日を過ごしている。
弟はこんな環境から抜け出したいともがいているのだが、兄たちは母親の面倒見を彼らに押しつけておきたいのだ。

ミス・ポターも意に染まぬ結婚相手を押しつけられて、イギリスの階級社会の中でもがいていた。
成金貴族の娘に来る縁談の相手なんて、どこかおバカな男しかいないことを彼女は知っている。
嫁に行かずに女が一人で生きて行く方法はないのか?
好きな絵を描いて生きては行けないのか?
作者と編集者。こうして二人の魂は静かに寄り添い始める。

なんか、悪くないんだよね、テイストが。
心にすんなり落ちてくるんだ。
劇的な緊張感が全然ないので、その内ダレると思っていたのに、どういうわけだか、アクビひとつせずに面白く見終えてしまった。
昔だったら、途中で怒り出しちゃったろうな、こんな静かな話。
激情を露わにしない全体の作りにきっと腹が立ったに違いない。
もう少し泣き叫んだらどうよ、とも思うのだが、それは「ピーターラビット」の作者の世界観には似合わないんだよね。
最愛の恋人は静かに死に、死に顔さえ映らない。
そして静かに次の恋人が現れる。

最愛の恋人の姉と魂が呼応し合うシーンも静かで良い。
男の求愛を受け入れるシーンも良い。
全編が清潔な作りで、恋愛映画につきものの性的な匂いがキレイさっぱり取り払われている。
なんか見事というしかなくて、静謐な気品まで漂ってくる。
この静けさに文句を言おうものなら「こういう映画は高潔な心の持ち主にしか解らないのよ!」と怒られそうな感じさえする。
その意味ではちょっと敷居が高い感じがしないでもないのだが、見終えた感じは「マッ、いいか」なんだよね。

イギリスの雲の重たい空はなんか好きになれないんだけど、この映画は割合空の高い好天の日に撮影されていて、イギリス湖水地方の緑したたる風景が堪能できる。
イーワン・マグレガーはいつもながら歌のシーンが良い。
この映画には歌が2曲しか登場しなくて、それも作品全体を静かなものにしてるんだけど、たった2曲の歌の1曲が『ダンスを教えて』で、最後のクレジットに被って流れるのが『あなたがダンスを教えてくれた時』なのがなかなかイイ趣向だ。

『ピーターラビット』についてはよく知らないけど、絵のファンと僕のようなジジババ領域に踏み込んだ年齢の者には飽きずに見られるんじゃないかな。

2008年5月14日水曜日

ブルー・ベルベット~美悪の花

「花祭り会場にケシ数十万本=ポピーの種に混入か-下妻市の公園・茨城」
夕べ、そんな記事がネット上に流れていました。

夏の花…芥子(ケシ)。

美空ひばりさんの人気曲、 昭和26年2月発売の『私は街の子』には、「窓に灯りがともる頃にいつもの小道を歩くと、赤い小粒の芥子の花があの街角でひらいてる」と歌われています。
現在では熟す前の実が阿片の原料になることから栽培が禁止されている種類もある「芥子の花」。
昔はそこら中に咲いているポピュラーな花だったことが判ります。
今回のは「アツミゲシ」という種類だそうですが、以前、栽培禁止種の「ソムニフェルム」とかいうケシを確かめようとしたら、ほとんどの本から削除されていて、とうとうあきらめたことがありました。

栽培されては困るから資料としても扱わないのか、栽培が禁止されて絶滅したはずだから外したのか、軽々に判断はできません。
でも、既にいないのに『恐竜図鑑』などはあるわけで…。

芥子の花。
学校の帰り道にケシ畑がありました。きれいな花でしたねぇ。
紫にピンクを加えたような薄い極上の和紙をクシャクシャッと丸めて、もう一度、丁寧に開いて、しわを指の腹でなぞるように消すと、その花になるような、妙にそそる花でしたよ。
なんか、イケナイ花なのだとは判りましたね。
当時は栽培禁止になっていなかったので、堂々と畑に咲いていたわけですが、イケナイものは子供ごころをもとろかすイケナイ香りをそのカラダ全体から放っているのだ、ということを僕の防衛本能は既にキャッチしていた。

栽培禁止、と知った時、ホラね、と思いましたもの。

2008年5月13日火曜日

悲しき雨音

低気圧がやってくるとてきめんに眠くなる。
フーッと海底に沈んで行くように眠気が襲う。
抗っても瞼が落ちてくるのでいつの間にか寝ている。
そのおかげで睡眠時間に狂いが生じて、気がつくといつもこんな時間に起きていることが増える。
もう、一日が無駄で無駄でどうにもならない。

台風がやってきているというので買い物に出た。
買い物ついでに洗濯物を出した。
パンツ、厚手のシャツ1,薄手のシャツ2で1,200円。500円の割引カードを使ったので、ずいぶん得した気分だ。
西友で清涼飲料水とシュガーカット、ピザ、レタス、パン、牛乳、その他その他。

ラジオの原稿を書くためにシネフィル・イマジカで放送していた『アクターズ・インタビュー/イアン・マッケラン』、ヒストリー・チャンネルの『巨樹は語る』と『金門橋』を見直した。

まあ、ついでなので『アクターズ・インタビュー』シリーズの『ヒュー・ジャックマン』『シャーリーズ・セロン』も見てしまい、さらについでだからマーチン・スコセッシが撮った『ボブ・ディラン/ノー・ディレクション・ホーム』とTVドキュメント『フランク・キャプラのアメリカン・ドリーム』も見てしまった。
原稿を書く時間がなくなってしまったが、でも、書かずに明日に回すと明日は一日中雨の予報。
原稿の〆に間に合わなくなるので気力を振り絞って1日分を上げた。

忘れそうなのでメール送信してしまい、『レドンドの風』の今日分に取りかかり、『アラビアのロレンス』を書いてみた。

これからTVのミニ・シリーズ『キル・ポイント』の3、4回目を見る。
元アメリカ軍の兵士たちが銀行強盗を企てる話で1時間ずつ8話分続くのだからかなりの大作だ。
俳優はこの計画のリーダーで元・軍曹のジョン・レグイザモ以外は誰も知らない。
1、2話を見たら止められなくなってしまって、なかなか緊迫感のある展開なんだけど、大義はあるとしても強盗にアメリカ批判されてもナ、という部分はまだ打ち消せていない。
大義は大義としても、完全犯罪のつもりがもう死者を出しちゃってるし、戦場のトラウマという理屈ですべてをOKにするわけにも行かないしネ。
これからの駆け引きでアッと言わせる展開になってくれれば嬉しい、と思ってる。

明日あたりはPower Pointを覚えてスクリーン上で授業しなきゃ、と思ってたんだけど、これじゃまたダメだな。

2008年5月11日日曜日

ご挨拶

「本日の店主」を独立させました。
「レドンドの風」との違いをどうするかなど何も決めていませんが、日常的な報告をこちらで、少しまとまりのある話を「レドンド」で、ということかなぁ、などと漠然と考えています。
まあ、今度はレスがつけられるので、前よりはコミュニケーションの行き来もあるかと…。
よろしくどうぞ。