2018年3月18日日曜日

3/17(土) ザムザ阿佐ヶ谷 月蝕歌劇団『男の星座』

月蝕歌劇団『一騎人生劇場 男の星座』
於:ザムザ阿佐ヶ谷

『少年サンデー』や『少年マガジン』を貪るように読んでいた時期があった。『ガロ』や、間もなく刊行され始めた『スピリッツ』の購入期とも重なっている。
27歳から40歳頃の10数年間で1972年から84年頃までの間か?
ラジオの台本書きからDJとして仕事をしていた頃で、マンガ誌、特に少年誌を読んでいないと聴き手の話題について行けなかった。
でも、そのおかげでマンガのラジオドラマ化の際、声優の真似事までさせてもらい、楽しい想い出になっている。
当時、少年マンガ誌のスター作家は千葉てつやさん、水島新司さんなど綺羅星のごとくいたが、一番のスターは原作担当の梶原一騎(『あしたのジョー』は高森朝雄名義)さんだった。

今回、月蝕歌劇団は未完の遺作となった梶原一騎原作『男の星座』(劇画・原田久仁信)を舞台化。常より男優の数が多いのでかなり男臭い、それでいながらどこか抒情と官能の漂う素敵な作品に仕上がっていて飽きさせない。
ショー的要素もいつもより少な目だが、梶一太少年が梶原一騎という名で少年誌の花形原作者として確固たる地位を築くまでの半生がダイジェスト的に一気に語られる。
ダイジェストでありながら無頼の日々の純愛から漂ってくる情感はフランス映画みたいで、上演時間2時間20分があっという間。
梶原一騎の生き方と彼を取り巻く人模様に魅了される。
プロレスラーの力道山、木村政彦、ナレーターとしての梶原一騎こそ男優が演じているが青年時代までの梶一太(梶原一騎)、大山倍達、夭逝の天才空手家・春山章、大物ホステスなど主要な役どころはいつもの通り女優陣が大健闘。鉄人ルー・テー・ズに至ってはなんと大山倍達さんの実娘、グレース恵喜さんが演じている。
細かいエピソードに妙にリアリティがあるのは月蝕歌劇団の主宰者で脚本・演出の高取英さんは90年代中頃、梶原一騎再評価のきっかけを作った『梶原一騎を読む』の著者なんだよね♪

昼の部が終わったあと、演出の高取さんを囲んで梶原さんの息子さんである高森城さん夫妻と、『紅い花』や『ねじ式』で知られる漫画家つげ義春さんの息子さんの柘植正助さん、マス大山の娘さんグレースさん、(イヤー、ある世代にとっては大スターのご子息ご令嬢、すなわち二世がひとつのテーブルにいる、という凄い図なんだワ)、そして後から合流の主演女優Mayulaさん(梶一太を好演)とお茶をいただいた。
勿論、とても美味しかったよ。
実は元妻の同級生が梶原先生の担当で、僕の新婚当時、そのI君は我が家によく遊びに来てくれた。
ある時期から突然、連絡が途絶えて、もう40年も音沙汰がないのだが、城さんも連絡とれないんですよ、ご存命かなあ、と心配されていた。
もし、これを目にするようなことがあったらI君、一報頂戴ね。

ちなみに我らが大久保千代太夫さんは今回ナレーターとしての梶原一騎役に比重が置かれていていつもの怪優ぶりはやや抑え目。
でも、しっかり目立ってた。

『男の星座』は本日13:30と18:30の回を残すのみ。
3/20(火)~22(木)は『女神ワルキューレ海底行-聖ミカエラ学園漂流記・原点-』の上演となる。

ザムザ阿佐ヶ谷は外観が美しいとってもいい小屋。


0 件のコメント: