2015年11月14日土曜日

11/4(水) 月蝕歌劇団「新撰組 in 1944-ナチス少年合唱団-」(ザムザ阿佐ヶ谷)


美少女演劇(暗黒版宝塚の異名もある)で知られる月蝕歌劇団を見た。
主宰者で作・演出の高取英さんとは1980年頃からの知り合いなのだがその作品を見るのは初めてなんである。
高取さんの芝居に安達明の『女学生』という歌を用意した、ということだけの付き合いなのに恩着せがましくFB上で友達関係になったというのが今年のこと。
月蝕歌劇団は今年結成30年で今月末にはWOWOWでドキュメントが放送になるのでその前にちゃんと見とかなきゃ、と重い腰をあげたのだ。
1985年旗揚げだから、考えてみると高取さんとは劇団結成より前の付き合いになる。
僕が音源を用意できたのは少なくともキー局のパーソナリティ時代しかあり得ないので80年か81年、演劇団での公演『月蝕歌劇団』か次の『聖ミカエラ学園漂流記』辺りのことだ。
演劇団公演『月夜とオルガン』(作・北村想)の宣伝担当をしていた頃かも知れない。
『新撰組 in 1944』については演劇ジャーナリストの山田勝仁さんが書いてらして、それがとても素敵な劇評にもなっているのでお読みいただきたい。
奇想天外な新撰組とナチスとの出会いが「思いこそが現実を変える」「理想を語らねば世界は滅びる」ことを示唆していて興味深い。
ワクワクハラハラしながらその骨太な劇世界に飲み込まれて行く。
感動的で心地よい体験だ。
舞台最後は字幕で処理される。
土方は薬売りの行商に戻るのだが、歴史上では明治時代を牽引した人物たちが次々に暗殺される。
おそらくは土方の仕事だ。
そして、土方は五稜郭で弊れなかった。
彼は内戦に勝利し、共和国構想を実現する。
思いの深さが歴史を超えて行く。
ロマンチシズム溢れる感動的なラストだ。
出演者の大半は美しい女優たちだが、美しい人を見ているのはやっぱり気持ちいいな。
新撰組を女性が演じるわけだが思いの外、発声は気にならない。
宝塚的発声だと疲れるな、と余計な心配をしていたが杞憂で、土方歳三役の倉敷あみ、ゲッペルス役の白川沙夜にクラッときた。
つまり、主要キャストたちはそんな風にカッコいい。
新大久保鷹さんをはじめとする男性キャストも要所をビシッと決めてイカしているのだが、吉田松陰の怨霊を好演する俳優だけが小汚ない。
実はこれが漫画家の田村信さんで、この劇団が大好きで近年の公演にはほとんど客演しているらしい。
「おれ、田村だからあだ名がたむたむでかぜさんと同じなんだよ」
と挨拶してくれた。番組をいつも聞いててくれてたらしい。
これも長生きの得みたいなものですね。
高取さんが美女揃いの出演者たちに「この人が伝説のディスクジョッキー」と紹介してくれたが彼女たちの反応は「ディスクジョッキーって何? 仕事?」
思わず吹いた。
月蝕歌劇団の公演には「詩劇ライヴ」が必ず付随しているらしい。
懐かしのメロディ数曲とこれまでの公演で歌われた劇中歌なのか、馴染みはないが刺激的な歌が披露される。
音楽はJ.A.シーザー作品なのか曲調にある流れが聞き取れ、いつの間にか気持ち良くなる。
既にCDデビューしている人もいるので水準は高い。
前述の山田勝仁さんも今日はライヴだけを聞きにこられて久しぶりの再会。
しかし、僕はこのところ絶好調だったものだから少し自分を過信していた。
ちょっと段差の高い階段の2段目でバランスを崩して落っこちて、したたか腰を打った。
運良く後ろで山田さんが支えてくれたので助かったが、家に戻ったら腰と首が痛く、明日のリハビリ教室に行けるかどうか微妙なところ。
油断は禁物だね。
写真は田村さん、高取さん、僕。
集合写真には美女軍団+高取さん、山田さんも。
山田さんはフットワーク軽く紀伊国屋劇場へ。
僕は高取さんと喫茶店で長話してしまいました。
高取さん、またきっとうかがいます♪
ちなみにWOWOWは「ノンフィクションW」枠で
11/21(土) 午後1:00~/ 11/23(月・祝) 深夜2:10~ の2回放送。多分、12月にもあると思います。
タイトルは
『暗黒のアイドル、寺山修司の彼方へ。「月蝕歌劇団」30年の挑戦』




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