2013年2月3日日曜日

ヒューゴの不思議な発明


Hugo
(2011)

Directed by
Martin Scorsese

Asa Butterfield
Chloe Grace Moretz
Christopher Lee
Ben Kingsley
Sacha Baron Cohen
Jude Law
Michael Stuhlbarg

映画愛にあふれるスコセッシ監督の感動の一作。
舞台はパリ駅。
パリ駅の壁の中で暮らす少年ヒューゴはオモチャ屋から部品をくすねては父が遺した精巧な機械人形を修理している。
彼の仕事は父の死後、叔父に押しつけられた、駅の時計を常に正しく動かすこと。

この映画は映画草創期の偉人にしてSFX創始者ジョルジュ・メリエスがパリ駅でオモチャ屋をしているらしき設定で始まる。
映画に詳しくない人には判りづらいかもしれないが、多少映画史をかじった人なら自動書記人形が「月世界旅行」でおなじみのあのイラストを描き出し、最後にジョルジュ・メリエスとサインした瞬間、あのおじいさんがメリエス? と即座に思うはずだ。
ただ、僕は最初、これはてっきり映画を愛するこの監督が作り出した風変わりな設定の一種の寓話なのだと思っていた。ところがどうもこれが実話らしき匂いになって行くので画面にどんどん見入ってしまった。正直驚いた。
実話と作話の融合がなめらかで若き映画研究家のメリエス発掘へのシークエンスではもう興奮が抑えられない。
後で知ったが、少年と少女の冒険は「お話」だが、メリエスに関する部分は実話に基づいているらしい。
イヤー、スコセッシの映画愛の気高さに圧倒される。
「時代」の偏執的なほどの再現はこの監督の特徴だが『アビエイター』などでは絢爛豪華なハリウッドの再現の度が過ぎて、現代の役者たちには昔日のゴージャスが全く欠け落ちてしまっていることを認識させてしまった。
しかし、このパリ駅と壁の裏側の描写は見事。
ベン・キングズレイを始めとする俳優陣もセットの重厚に負けない演技で見応えがある。
ヒューゴの父役にジュード・ロウを配するあたりも上手い。
ヒューゴの追憶の対象は最後まで印象を残しておかなければならないので美しい面影を持つ印象的な役者が必要だ。
少ない出番で役目を立派に果たしているロウはさすがだ。
『アビエイター』でもエロール・フリン役のチラッと出演で存在感を見せてたっけ。
『ボラット』の怪優サッシャ・バロン・コーエン演じる駅舎公安官の不気味さと少女クロエ・グレース・モレッツの穏やかな美少女ぶりが見終えた後も脳裏に残った。

3 件のコメント:

mm さんのコメント...

面白そうですね。
DVDが手元にあるので近いうち観ます。

クロエ・グレース・モレッツ いいですね。
『モールス』も観たいと思ったのですが
怖くて哀しい気がして観ていません。
思い切ってそれも観てみようかと...どうしよう...

店主 さんのコメント...

『モールス』は良いです。
悲しい話だけど耐えられる良質な作品です。

mm さんのコメント...

ありがとうございます。
観ることにします!